脱炭素

イオンモール 全国31店舗へ太陽光発電の電力供給

イオンモール、エコスタイル(大阪市)、みずほ銀行、みずほ証券、みずほリースは、9月から全国のイオンモール31施設に太陽光発電による電力供給を開始した。イオンモールは太陽光パネルを増設し、国内にあるすべての大型商業施設で、40年度までに使用電力の全量を再生可能エネルギーに切り替える方針。

アイキャッチ:太陽光発電の電力供給を開始したイオンモール秋田(秋田市)

自己託送制度を
活用して電力供給

太陽光発電による電力供給を開始したのは、木更津(千葉)、盛岡(岩手)、秋田、天童(山形)、神戸南(兵庫)、高知など全国31のイオンモール。全国約740カ所、計約65メガワット規模の低圧・分散型太陽光発電設備「イオンモール まちの発電所」を設置し、発電した電力を「自己託送制度」を活用して、全国のイオンモールへ供給する。自己託送とは、遠隔地にある自社発電所で発電された電気を、一般送配電事業者が管理運営する送配電ネットワークを通じて自社設備へ送電する仕組み。太陽光発電の自己託送を行えば、 屋根や空き地などのスペースを確保することが難しい企業においても、再エネを利用することが可能になる。

イオンモールが発電事業者、電力需要家となり、エコスタイルが発電所用地の収集・開発、EPC(設計・調達・施工)・O&M(運営、保守)サービス、自己託送の導入・運用のサポートを担当する。また、みずほグループ各社がファイナンスアレンジの提供、スキーム構築などに関する助言、リスクマネー提供枠の設定などを行う。

低圧・分散型太陽光発電設備「イオンモール まちの発電所」

対象となるイオンモール31施設は、東北・東京・中部・関西・中国・四国の6つの電力エリアにおよぶ。6電力エリアで同時期に自己託送を開始するのは国内初の取り組みだ。当初は、1施設あたり平均約1割程度の電力を太陽光発電で賄う見込み。

余剰電力を提供する
消費者にポイント還元も

40年度までに使用電力の全量を再エネ転換へ

イオンモールは国内約160カ所すべての大型商業施設で、40年度までに使用電力の全量を再エネに転換する。再エネの環境価値を取引する「非化石証書」を使わず、自ら太陽光パネルを設置するほか、メガソーラーなどの発電事業者と長期契約を結び、発電した再エネを全量買い取る「コーポレートPPA」と呼ばれる手法も使う。各施設には大型蓄電池も整備し、集めた再エネを効率的に運用する仕組みを整える。

再エネの地産地消を進めるため、一般家庭の太陽光発電の余剰電力を消費者が電気自動車(EV)を使ってイオンモールに提供すれば、ポイントで還元するサービスも始める予定。太陽光発電のほか風力発電やバイオマス発電、水素発電などからも電力を調達し、発電事業用の用地取得など関連投資も検討して脱炭素化を推進する。

小売業の脱炭素で施設の再エネ導入は重要な課題だが、現状では非化石証書の活用が主流だ。イオンモールの年間電力消費量は約20億キロワット時。国内の電力消費全体の0.2%を占める。イオングループ全体の年間消費電力量は71億キロワット時で、日本の総電力消費量の1%弱におよぶ。イオンモールはその約3割を占める。今回の目標にはマックスバリュやマルナカなど、同社のグループ傘下のスーパーは含まれていないが、これらの店舗についても順次、対象に組み入れ、最終的に40年度には連結対象子会社のスーパー全店を再エネ化する方針。

他の大手小売グループでは、セブン&アイ・ホールディングスが21年4月、NTTの太陽光発電事業からの電力供給を開始している。ローソンは今年4月、親会社の三菱商事から太陽光発電による再エネ電力の調達を始めている。

DATA

イオンモール ニュースリリース


取材・文/高橋健一

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