政策・マーケット

原発が全停止目前!? 電力会社は再エネ発電に移行となるか(後編)

今年4月24日、原子力規制委員会は、「テロ対策を講じていない原子力発電所の運転を停止させる」との方針を発表した。電力会社はテロ対策に真摯に向き合わなければならない。環境経営コンサルタントの村沢義久氏による連載コラム第8回(後編)。

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ドローンの脅威

航空機の激突やミサイルはもちろん怖いが、より現実的な脅威はドローンによる攻撃だ。今年5月14日、サウジアラビア中部の石油パイプライン施設がドローンによる攻撃を受け、ポンプ施設2ヶ所に爆発物が投下され火災が発生している。

日本でもドローンによる脅威は増している。2015年4月22日、首相官邸の屋上に「いつの間にか」着地しているのが発見され、重要施設といえども空からの侵入には無防備であることが判明したのである。さらに、今年5月6日夕方には、皇居近くの上空でドローンらしき物体が飛んでいるのが警視庁の機動隊員により目撃された。



実際の被害は報告されていないものの、もし、爆発物や火炎瓶などが搭載されていたらどんなことになっていたのか。

ドローンは急速に進化し続けている。数万円でカメラ付きのものが買えるし、目視操縦でも、その行動半径は2kmにおよぶ。これが、最新式の大型機となると、数kgの荷物を積んで、数十kmも飛行できる能力を持つものがある。中国製のもので、航続距離120kmのものさえ発表されている。

しかも、GPSなどによる自動操縦が可能な機種の場合、数十km離れた場所で必要なパラメータを入力し、発進させれば、ドローンは勝手に目的地まで飛んで行ってくれる。タイマーをセットして操縦者が逃げてしまえば捕まえようもない。

原発がドローンに攻撃された場合、小さな爆発物や火炎瓶程度では原子炉そのものに甚大な被害が出ることはないだろう。しかし、指令室、制御装置、ポンプなどに損害が発生すれば、重大な事故に発展する可能性がある。そういうドローンが数十機~100機単位で押し寄せたらお手上げだ。

原発から脱出し
再エネ導入を進めるべき

このようにテロ対策は待ったなしだ。そんな状況で「再度の延期」を要請した電力会社の姿勢は甘いというほかない。



甘いといえば、東京電力ホールディングスが7月24日、福島第二原発を廃炉にすることを福島県知事に正式に伝えた。今頃になって、だ。原発事故から8年余りも経っている。決断がここまで遅れたのは、再稼働を期待していたからだ。

福島第二は、福島第一から南にわずか12km程度しか離れていない。県民感情、国民感情からしても再稼働などあり得ないことは最初から分かっていたこと。

電力会社はそろそろ原発をあきらめ、太陽光発電や風力発電を大量に導入するべき時だ。

プロフィール

環境経営コンサルタント(合同会社 Xパワー代表)

村沢義久


東京大学工学修士。スタンフォード大学MBA。経営コンサルティング会社日本代表、ゴールドマンサックス証券バイスプレジデント(M&A担当)などを歴任の後、2005年から2010年まで東京大学特任教授。2010年から2013年3月まで同大学総長室アドバイザー。2013年4月から2016年3月まで立命館大学大学院客員教授。現在の活動の中心は太陽光発電と電気自動車の推進。Twitterは@murasawa。

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