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中国電力ら5社の「隠岐ハイブリッドプロジェクト」が新エネ大賞受賞!

中国電力ら5社が、島根県の離島で実施した「隠岐ハイブリッドプロジェクト」が新エネルギー大賞を受賞した。ハイブリッド蓄電池を導入し、需給管理コストを抑えると同時に、再エネの導入拡大を実現。全国の離島のエネルギーマネジメントに新しい方向性が見えそうだ。

隠岐諸島にハイブリッド蓄電池
再エネと内燃力を一体制御

12月19日、一般財団法人新エネルギー財団は、令和元年度の「新エネ大賞」13件を発表した。資源エネルギー庁長官賞を受賞したのは、中国電力、島根県、三菱電機、日本ガイシ、GSユアサの5社が、島根県隠岐諸島で行った「隠岐ハイブリッドプロジェクト」だ。

隠岐諸島に属する西ノ島変電所に、長期変動対策に適したNAS電池(4,200kW)と、短周期変動対策に適したリチウムイオン電池(2,000kW)を組み合わせた、ハイブリッド蓄電池を導入した。これにより蓄電池導入コストを低減すると同時に、変電所内で使用する電力を約30%低減することに成功した。

さらに、蓄電池の自動運転により余剰電力と周波数変動を吸収し、内燃力発電機(ディーゼルエンジン)と一体的に制御することで、再生可能エネルギーの導入拡大を実現した。プロジェクト実施前は、風力・太陽光・水力を合わせて約2,300kWであった再エネは、実施後は約5,700kW増加し、約8,000kWと大きく拡大した。

この8,000kWの内訳は、既設の風力・太陽光・水力を合わせた約2,300kwに加え、新設した旧隠岐空港のメガソーラー3,000kWと海士風力発電所の約2,000kW、そして住宅用太陽光700kWだ。

離島の出力変動を解決
国内外への波及に期待

電力系統が本土と接続していない離島においては、電力使用量が小さいため、出力の変動などにより電気の品質に影響を受けやすい。そのため、変動電源である太陽光や風力などの再生可能エネルギーの導入が伸び悩むケースが多い。結果的に、内燃力発電などの火力発電への依存が高くなりがちだ。

今回の受賞理由として、このような特徴を持つ離島において、ハイブリッド蓄電池を導入し、内燃力発電機と一体的に制御することで、電力システム全体の効率化に結び付けた点が高く評価された。しかも、独立した系統ではなく、商用の系統において実現したことで、他の離島などへの展開も見込むことができる。

このプロジェクト実施後は、太平洋島嶼国やASEAN諸国などからの視察が多いという。離島の課題を解決する新しいシステムに期待したい。

DATA

新エネルギー財団


文/山下幸恵

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