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低圧O&Mを変える「稼ぐ太陽光メンテ」とは?

低圧太陽光発電所のO&Mが変わろうとしている。遠隔監視で確認するだけでなく、集めたデータを解析して、中長期的な問題を洗い出すことが重要だという。エナジービジョンの奥山恭之社長に聞いた。

発電量解析により
「売電ロス」を正確に把握

エナジービジョンは、年間600ヶ所以上の太陽光発電所をサポートするO&Mのトップランナーだ。低圧太陽光O&Mにはこれまでなかった「発電量解析」を武器に、「稼ぐ太陽光メンテ」を展開している。発電量低下の最大要因は何か? そして、それを解決する手段とは? 奥山恭之氏が、次世代型O&Mの神髄を語る。

──稼ぐ太陽光メンテ、その違いはどこに?

「稼ぐ太陽光メンテ」とは、低圧発電所に特化した、発電事業を成功に導くためのO&Mパッケージサービスです。発電事業の3大リスクである「売電ロス」「高額な維持費」「事故のリスク・コスト」を低減し、利益の最大化を図ります。

3大リスクの中でも、これまで曖昧なままにされてきたのが、売電ロスの問題です。遠隔監視システムでリアルタイムに発電量を見たり毎年点検したりしても、それだけでは気づけない売電ロスがあり、大きな損失が発生してしまいます。中長期的な発電量の低下が何らかのトラブルによるものなのか、それとも経年劣化や日射量の減少など不可抗力なものなのか、それすらも正確に把握できていないケースがほとんどです。

私たちは、この問題を「発電量解析」の手法を確立することで、飛躍的に前進させました。遠隔監視データをダウンロードし、独自に開発したアプリで解析することで、これまで難しかった発電量の中長期的な把握が可能になったのです。日射量の違いや季節要因なども考慮したうえで、その発電所が最も良く発電していた1年間と比べて、直近1年間の発電量がどれだけ減っているかを分析し、本来得られたはずの売電金額との差額を数字で把握できるようになりました。

発電量解析により、日射量などの変動要因も考慮した適正な発電量との差異を正確に把握できるようになった。出典:エナジービジョン

この解析をもとに発電量低下の原因を探ることで、効率的に回復策を講じることができます。売電ロスのの存在に気付くこと、そしてそれを適切に是正することで発電所の収益アップに直結しているのです。

──O&Mサービスの具体的な中身は?

「稼ぐ太陽光メンテ」は、スマート保安による日々の管理と、回数無制限の一次対応が基本となります。まず、短期・突発的な異常を、遠隔監視システムのメールアラート発報により管理します。そして、長期・継続的な発電量の低下は、定期的な発電量解析により検知します。この発電量解析により、アラート発報されない軽度の異常も発見できるようになりました。一次対応とは、監視カメラ(設置済みの場合)で発電所の現況をリモート確認するとともに、駆け付け確認が必要と判断された場合には、素早く現場に駆け付けて状況を把握するというものです。

発電量解析を核とする当O&Mサービスは、従来のO&Mとは一線を画するものであり、発電所の隠れた売電ロスがどれだけあるか?、金額に換算して把握できます。現在、太陽光発電所の発電量解析を“無料”で実施しておりますので、ぜひお受けいただき、まずは売電ロスがどのぐらい発生しているのか、事実を把握していただければと思います。

雑草問題は「防草シート」で解決する

──発電量の低下をもたらす要因は?

発電量が落ちる原因は、パワコンの故障や雷の影響、パネルの破損・汚れ、暑さ、系統側理由など多岐にわたりますが、なんといっても多いのは雑草によるものです。件数でいえば、野立ての低圧太陽光発電所における発電量低下の6~7割は雑草に起因しているとみて良いでしょう。

伸びた雑草の影が太陽光パネルにかかっていたり、雑草がパネルを覆ってしまっていることもあります。また、草が生えると虫が湧いてきて、その虫がパワコンの中に入り込んで、故障の原因となることもあります。ネズミやモグラなどの小動物が寄ってきて、配線をかじってしまったこともありました。雑草は、決して軽く扱ってはならない大問題なのです。

──最大の課題、雑草にどう挑む?

雑草対策としては、草刈りをするか、除草剤を撒くか、防草シートを敷くか、いずれかの選択になります。ただ、除草剤は近隣への悪影響が懸念されますので、使える場所は限られます。そうすると、草刈りか防草シートということになりますが、今はまだ草刈りで対処しているところが多いですね。

しかし、これからは防草シートを敷くところが増えてくると考えています。防草シートの方が、草刈りより効果的だし、長い目でみればコスト面でも割安だからです。当社としても、はじめに申し上げた発電事業のリスクを減らすという意味で、防草シートを敷くことをおすすめしています。“雑草が伸びたら刈る”では雑草が伸びている間の「売電ロス」をなくすことはできないですし、「高額な維持費」の低減を図るうえでも防草シートの方が優れているのです。

例えば、1000㎡程度の低圧の発電所で、草刈りには1回5~7万円ほどのコストがかかります。これを少なくとも年2回は行う必要があります。運転開始から5年目の発電所だとすれば、これをあと15年は続けなければなりません。その間のコストを考えれば、防草シートを敷いてしまった方がお得なのです。メンテナンスの手間を減らすという観点からも、ぜひ防草シートを敷いていただきたいところです。

ただし、防草シートといっても多種多様です。しっかりした品質の製品を、きっちり施工しなくては、十分な効果を期待することはできません。当社では、低圧太陽光発電所に最適な製品を、初期費用をかけることなく長期分割払いで施工できるプランもご用意しておりますので、ご相談いただければと思います。

──次世代型O&Mが、日本太陽エネルギー学会論文に?

「稼ぐ太陽光メンテ」は、一般社団法人 新エネルギーO&M協議会が提唱する「次世代型O&M」の概念を具体化したサービスです。

このほど当社は、京都大学の安田陽特任教授、新エネルギーO&M協議会と共同で論文を執筆し、日本太陽エネルギー学会で発表しました。『小規模太陽光発電所の遠隔監視システムによる発電電力量監視サービスの開発』というタイトルで、次世代型O&Mのキーポイントである「発電量解析」の有効性についてまとめています。当社がこれまで実施した「発電量解析」のデータを活用した論文となっています。

低圧発電所144区画の発電量解析を行った結果、一般に許容範囲とされる年1%程度の発電効率低下に収まっているところは2割にも満たないことが分かった。太陽光発電を長期にわたって安定的な電源としていくためにも、これを放置しておくことはできない。出典:エナジービジョン

いま、太陽光の長期安定電源化と信頼性回復に向けて、次世代型O&Mへの期待の高まりと責任の重大さを感じています。我々は、この評価に応えるべく、次世代型O&Mの普及に全力で取り組んでまいります。

[編集部注]エナジービジョンと新エネルギーO&M協議会が共同で取り組む「次世代のO&Mを支える発電電力量評価等の技術開発」は、このほど国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「太陽光発電主力電源化推進技術開発/研究開発項目(II)太陽光発電の長期安定電源化技術開発(助成)」に採択された。

PROFILE

株式会社エナジービジョン

代表取締役
奥山恭之氏

DATA

株式会社エナジービジョン


取材・文・撮影/廣町公則

Sponsored by 株式会社白崎コーポレーション

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