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保安人材の不足がメガソーラー拡大を阻む?! 第2種電気主任の配置要件、緩和へ

脱炭素化には再エネ発電設備の拡大が不可欠だ。しかし、メガソーラーなどの保安資格をもつ第2種電気主任技術者は人材不足が懸念されている。経済産業省は、スマート保安の活用などを要件に第3種電気主任技術者を特高発電所へ派遣できるようにする案を示した。

第2種電気主任の不足に対策案
1人あたり6ヶ所まで保安を可能に

大規模な太陽光発電所には「電気主任技術者」による保安・監督が義務付けられる。電気主任技術者とは国家資格で、保安設備の規模に応じて第1種から第3種まである。5,000kW以上の発電設備を保安できるのは、第2種以上の電気主任技術者だ。

しかし、保安業務に就く第2種電気主任技術者の有資格者は少ない。大半は企業などに就職するか勤務中で、現資格者の高齢化も進む。そのため、再エネ発電設備の拡大にあたり第2種電気主任技術者の不足が懸念されている。

11月5日、経済産業省は、電気主任技術者の配置要件を見直す考えを示した。特別高圧(5万ボルト以上)の再エネ発電設備に対し、一定の要件をクリアすれば第2種電気主任技術者1人で6ヶ所まで保安できるようにする見通しだ。

特高発電所へ第3種技術者を派遣
スマート保安の実装などを要件に

経産省が示した見直し案は次の通り。発電所でトラブルが起きると、これまでは第2種電気主任技術者が2時間以内に発電所に駆けつけなければならなかった。案では、第2種電気主任技術者の指揮のもと、第3種電気主任技術者が現場に赴くことも認める。

(出典:経済産業省 第8回 電気保安制度ワーキンググループ)

ただし、これには技術的な要件が設けられる。スマート保安技術を活用していることや、遠隔監視システムにより連絡体制が確保されていることなどだ。

実は、1人の電気主任技術者が複数の発電所を監督する「統括制度」はこれまでもあった。現行制度では、同一事業者の発電設備のみ第2種電気主任技術者1人で6ヶ所までの保安が認められる。今回の見直しで、異なる事業者間の発電設備も保安できるようになるかどうかに注目が集まる。

DATA

経済産業省 第8回 電気保安制度ワーキンググループ


文:山下幸恵(office SOTO)

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