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なぜ日本では「風力発電」導入が遅れているのか?

導入促進に向けて

では、それほどのポテンシャルをもちながら、なぜ日本では風力発電の導入が進まないのか。その理由を牛山氏は、次のように解き明かす。「北海道・東北に関して言えば、 まず系統連系の問題を挙げなければなりません。他の地域に比べて送電網が脆弱なため、風車で発電した電力を十分に受け入れ、電力需要地に送ることができないのです。しかし現在、送電網整備事業も進められていますから、状況は徐々に改善されていくでしょう」。

風力発電の導入促進を阻む全国共通の課題としては、やはりコストが一番のテーマだという。風力発電のコストには、設計開発費、タービン、土木工事費、電気工事 費、輸送据付費、環境アセス費などがあるが、日本特有の制度的な制約も大きい。

「例えば大型の風車の場合、日本では陸上風力22円/kWh、洋上風力36円/kWhですが、ヨーロッパでは洋上でも10円/kWhを切り、6〜7円/kWhというケースさえ珍しくなくなってきました。この違いは、たんに部品代や工事費だけに起因するものではありません。送電網への接続に伴う費用を誰が負担するのかなど、国の政策に依るところが大きいのです」と牛山氏は指摘している。

 


取材・文/廣町公則

『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載

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