なぜ日本では「風力発電」導入が遅れているのか?

風力発電は、いま新たな局面を迎えている。欧米や中国では既に基幹電源としての地位を確立し、日本においても飛躍に向けた準備が着実に進められている。風力学会の第一人者・足利工業大学理事長の牛山泉氏に、その現状と課題を聞いた。

世界の風車は500GW

「世界の風力発電の累積導入量は既に約500GW(5億kW)、つまり原発約500基分に達しています。これは日本の全発電設備の合計(約3億kW)よりも、はるかに大きい容量です。2016年に新しく建った風車だけでも、世界全体では約5500万kWに上ります。一方、太陽光発電の累積導入量は世界で約270GW。日本の 再生可能エネルギーにおいては、太陽光発電の導入量が圧倒的ですが、世界では風力発電がそれを上回っている状況です」(牛山氏、以下同)。

では、日本の風力発電は、現在どの程度のレベルにあるのか。NEDO(新エネルギー・産業技 術総合開発機構)の統計によると、2016年度末時点の設備容量は336万kWに過ぎない。中国1億6873万 kW、米国8218万kW、ドイツ5001万kWなど、風力先進諸国との差は歴然だ。

日本の風力ポテンシャル

「しかし日本も、風力発電ポテンシャル(最大導入可能量)では海外に引けを取りません。環境省の試算では、国内太陽光のポテンシャルが1億5000万kWであるのに対し、国内風力のポテンシャルは19億kW(陸上風力3億kW・洋上風力16億kW)に達しています。とくに北海道電力管内の風力発電ポテンシャルが大きく、陸上風力だけでも約6500万kW。これは、北海道電力の全設備容量(泊原発を含む)の10倍強に相当します。次に大きい東北電力管内も約4000万kWのポテンシャルをもっています」。

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