米政府に新法案『2050年100%再エネ』の7要点
2017/09/29
2017年3月には風力と太陽光発電が総発電量の10%以上を充たすという快挙を遂げた米国。化石燃料支持のトランプ政権下でも、確実に再エネへの転換は行われている。「2050年・再エネ100%」を達成するために、上院に提出された新たな法案の7つの要点を解説する。
「100 by’50」
2017年4月、ジェフ・マーケリー上院議員は、「米国を2050年までに再生可能エネルギー(再エネ)100%」に転換するための「2050までに100 (100 by’50)」という法案を提出した。
この法案の7つの要点をみてみよう。
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「100 by’50」 法案 7つの要点
1. グリッドのグリーン化
二酸化炭素(CO2)排出量削減を義務づけ、グリッドの信頼性を改善するため、クリーンな再エネ、蓄電池、グリッドインフラへの投資を拡大し、化石燃料を2050年までに段階的に廃止する。
2. エネルギー経済の電力化
CO2排出自動車規制、CO2排出ゼロ自動車や熱エネルギーシステムへの投資拡大を通じ、できるだけ多くの運輸機関と熱システムをクリーンな電力で賄う。
3. クリーンな再エネを全ての人々へ
助成金で公共交通機関におけるCO2排出ゼロ自動車の導入を促進し、低所得者と恵まれないコミュニティにも「100 by’50」転換の恩恵をもたらす。
4. 労働者への公平な転換
化石燃料産業に従事していた労働者やコミュニティに新しい産業への転換支援・トレーニングを提供する。
5. 化石燃料への新たな投資廃止
原油を輸送する「キーストーンXL・パイプライン」や「ダコタ・アクセス・パイプライン」などの化石燃料プロジェクトへの承認をやめ、化石燃料への政府補助も終了させる。
6. 米国の競争力を確保
炭素集約的な輸入品に対して炭素関税を課し、米国企業に公平な競争の場をつくる。
7. 米国の資源の結集
気候変動国債を発行して「100 by’50」への転換を円滑にし、さらに加速できるように、コミュニティ単位などのプログラムへ資金投資する。
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文/モベヤン・ジュンコ
『SOLAR JOURNAL』vol.22より転載