【特別対談】次の蓄電池事業は「エンジニアリング×アグリゲーション」 設備と運用を一体化するSUSTECH
2026.09.25 PR
蓄電所は造って終わりではない。運用の視点が建設時から重要であると両社は言う。EPCとして多数の案件を手掛けてきた「テス・エンジニアリング」と、先進アグリゲーターとして注目を集める「Sustech (サステック)」。協業関係を強化する両社の対談を通して、蓄電池事業のこれからを探る。
右)テス・エンジニアリング株式会社 東日本営業グループ グループ長 堀田岳 氏
左)株式会社 Sustech 取締役CTO 大橋昭文 氏
1.設備から運用アセットへ
2.FIP転+蓄電池の最適解
3.AI運用で収益を最大化
4.系統を支える協業体制
5.電力インフラの未来へ
設備から運用アセットへ

サステック 大橋氏:再エネ導入拡大に伴い、蓄電池のニーズは高まるばかりです。しかし、蓄電池は「置けば収益が上がる」という単純な設備ではありません。制度や市場価格が激しく変化する中で、どの市場で、いつ、どのように充放電させるのかを見極め、適切に運用していくことがますます重要になってきています。
テス・エンジニアリング 堀田氏:私たちも蓄電池のEPCを手掛ける立場として、お客様の意識が変わってきたのを実感しています。以前は設備機器の話が中心でしたが、最近は「どう運用していくべきか」というご相談が増えてきました。だからこそ、設備を計画する段階から、導入後の事業性まで見据えた検討をサステックさんと一緒に行えることは、当社にとっても大きな強みとなっています。
大橋氏:アグリゲーターとして実際に蓄電池を運用していると、「設備がどう設計されているか」が、収益に大きく響いてくることを痛感します。当社としても、設備を造る側であるテス・エンジニアリングさんと計画の初期段階から検討を進められることは大きなメリットです。
堀田氏:「設備」と「運用」を初めから一体で考えていくことは、お客様の大切な資産である蓄電池の価値を最大化させることにつながります。蓄電池は「単なる設備」ではなく、「運用アセット」と捉えなければならないといえるでしょう。だからこそ、「エンジニアリング」と「アグリゲーション」、それぞれの専門性を案件の初期段階から結び付けて考えることが、これからの蓄電池事業では重要となります。
FIP転+蓄電池の最適解

大橋氏:蓄電池事業と一口にいっても、再エネ併設蓄電池、系統用蓄電池、需要家設置蓄電池などさまざまです。それぞれ収益機会も違えば、前提となる制約条件も異なります。今年から御社と協業を開始した「FIP転換+蓄電池併設モデル」でいえば、日中に太陽光発電から充電した電気を市場価格が高い時間帯に放電する「タイムシフト」運用を行うことで、電気を高値で売電し、FIP制度に基づく調整後プレミアムを多く獲得できるようになります。一方で、蓄電池の電気を夜間に放電した後は設備が稼働せず待機時間が発生し、設備効率は低いものになってしまうという課題がありました。
堀田氏:設備を造る側としても、そうした課題に応えていくことが、いまや不可欠です。当社はサステックさんとの協業により、お客様が抱える運用面の課題を先取りし、設備設計と併せて提案できるようになりました。お客様にも、事業性評価からEPC、運用までを1つの窓口に相談できると喜んでいただけます。「FIP転換+蓄電池併設モデル」においても、サステックさんが有する複数の電力市場での運用ノウハウが大きな力になっています。FIP転換した太陽光発電所への蓄電池併設は、限られたスペースや既存設備との接続方法など、施工面でもさまざまな制約があります。しかし、運用の考え方が整理されていれば、その目的を実現するためにどのような設備構成が最適かという視点で設計できます。
大橋氏:先ほど挙げた課題に対しては、蓄電池への系統充電を活用しながら、夜間には需給調整市場で併用運用を行うことで、蓄電池の待機時間を最小化し、収益を最大化させるという運用方針をとっています。これにより、残FIT期間が短いことやFIT単価が低いことなどから投資回収が困難とみられていた太陽光発電所でも、蓄電池併設のメリットを最大限に活かした「24時間運用」を実現します。
AI運用で収益を最大化
堀田氏:蓄電池の年間稼働率が大幅に向上して、設備投資分の早期回収が可能となるというわけですね。
大橋氏:はい。私たちはこれを実現するために、最先端のAIと直感的なUIを融合した、電力運用プラットフォーム「ELIC」を開発しました。複雑で変動が激しい市場取引を高度に統括し、電力運用の自動最適化を図るものです。ELICは、分散型電源の管理・運用、発電量や電力需要量の的確な予測、蓄電池の最適制御、グリッド負荷の軽減、環境価値取引などを含むソリューションであり、需給調整市場・卸電力市場・容量市場などを横断的に活用することで、蓄電池から最大の収益を引き出すことを可能にしています。ELICの用途は、太陽光併設蓄電池だけに限りません。系統用蓄電池においても、需要家設置蓄電池においても、それぞれに最適な運用を実現します。
系統を支える協業体制
堀田氏:系統用蓄電池は、大きく動き出していますね。市場規模が急拡大して、さまざまなプレーヤーが参入してきています。実際に運転を開始している蓄電所は、まだ一握りにすぎませんが、ここから一気に増えていくことになるでしょう。
大橋氏:系統連系の契約申し込み件数を見ると、24年度時点で年間1000件規模の申請が出されていて、25年度はさらに2倍以上になりそうな勢いですね。アグリゲーションを担う立場からいうと、増産された蓄電所が、最後までしっかり運営されるのか気になるところです。少なくとも20年なりの事業期間中は、誰かがずっと運用し続けなければなりません。電力インフラである蓄電所がしっかり運用されなければ、オーナーにとって不利益になるだけでなく、社会的にも損失ですから。
堀田氏:EPCを担う私たちも造ったら終わりでは済まされません。テス・エンジニアリングでは、24時間遠隔監視体制で、設備の稼働状況や異常兆候を常時把握し、迅速なトラブル対応に努めています。サステックさんによる運用と連携することで、お客様の蓄電システムの安定稼働をサポートしています。
電力インフラの未来へ
大橋氏:系統用蓄電池をはじめ、蓄電池市場は今後ますます広がっていくでしょう。案件ごとの事業性をしっかりと見極め、それに合わせて「設備」と「運用」を一体的に設計する。そうした進め方が、いっそう重要になってきます。
堀田氏:10年、20年…という長い期間、社会のインフラとしてしっかり運用され続けること。そこに責任を持てるかどうかが、分かれ目だと思っています。だからこそ、「エンジニアリング×アグリゲーション」という発想が大事になってくるのです。
大橋氏:再エネ併設でも、系統用でも、需要家設置でも、私たちが大切にしている考え方は変わりません。設計の段階から運用を見据え、運用の段階では設計を踏まえる。この一体感を、これからも案件ごとに積み重ねていきたいと思います。
問い合わせ
株式会社Sustech
東京都港区芝3-1-14 芝公園阪神ビル5F
TEL:03-6722-6301
取材協力/テス・エンジニアリング株式会社
大阪市淀川区西中島6丁目1番1号 新大阪プライムタワー17階
TEL:06-6308-2073
取材・文・写真/廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.57より転載
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