電力と熱の併せ売り!?小規模バイオマス事業化の秘策

日本の木質バイオマス発電は、いま、どんな地平に立っているのか? その普及はどこまで進み、未来には、どんな可能性が拡がっているのか? 今回は、森のエネルギー研究所の大場龍夫代表取締役に小規模木質バイオマス発電のこれからについてお聞きした。

熱電併給がポイント
ガス化発電など新技術も

これからが期待される小規模木質バイオマス発電。しかし、具体的には、どんなものが望ましいのだろうか。

「小規模バイオマス発電を事業化するにあたっては、発電だけでなく、発電によって生じる”熱”をいかに活用していくかがポイントになります。売電と熱販売をセットで行うことができれば、小規模バイオマス発電の採算性は大きく向上するでしょう。小規模バイオマス熱電併給システムと呼ばれるものです」と大場氏。

たしかに燃焼によって電気をつくるバイオマス発電なのだから、燃焼時に生じる熱を活かさないのはもったいない。

もう1つ、大場氏が「熱電併給」とともに挙げてくれたのが、「ガス化」というキーワードだ。

木質バイオマス発電において、これまでは燃料を燃焼させて蒸気でタービンを回す「蒸気タービン発電」が一般的だった。これに対し「ガス化発電」とは、燃焼する手前の可燃性ガスを採取し、ガスエンジンを使った効率の良い発電を実現するものだという。

ヨーロッパでは長い開発期間を経て実用化され、近年急速に普及が進んだガス化発電だが、日本ではまだ始まったばかり。それだけに可能性は大きそうだ。

地域との持続的関係を構築
地元に与えるメリット大

最後に大場氏は、「小規模木質バイオマス発電においては、地域社会との共生が何よりも大事なテーマ」だと、改めて力を込める。燃料の調達においても、熱電併給における熱の使い途に関しても、地域コミュニティの協力は不可欠。

それだけに、それがうまくいったときの地域に与えるメリットも大きい。設備をつくった後も、稼働し続けるかぎり、地域との関係が途切れることはない。そこにこそ、小規模木質バイオマス発電ならではの大きな可能性が秘められているのだ。

Profile

森のエネルギー研究所代表取締役

大場龍夫氏


取材・文/廣町公則

『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載

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