編集部からのお知らせ

インターソーラーで急増の蓄電池 未来への鍵①

インターソーラーヨーロッパ2016の開催まで残り3ヶ月を切った。昨年のインターソーラーヨーロッパ2015の様子をおさらいしてみよう! 再エネビジネスの未来を考える企画「未来への鍵」第1回目

 

インターソーラーで急増!
蓄電池パリティへの流れ

「ドイツのインターソーラーは、昨年あたりから様子が変わり始めていましたね。蓄電池を出しているブースがかなり増えました」……来場者は口を揃えてこう語っていた。

確かに、欧米各社は、虎視眈々と日本における蓄電池のシェア拡大をねらっている。その背景には、太陽光発電は、売電するよりも自家消費するほうが経済的に有利になるという、いわゆる〝蓄電池パリティ〞への流れが欧州で既に明確になったという現状がある。

つい最近まで蓄電池は、非常に高価なもので、一般人にはなかなか手の届かない製品だった。日本の場合、たとえば、新築時にオール電化との抱き合わせで導入すれば初期コストは抑えられる。蓄電池があれば月々の電気代は下がるが、それでも光熱費削減額が初期投資額を上回るというような事はなかった。それでも売れたのは、国の高額な補助金があったからだ。それは海外でも例外ではなかった。

蓄電池市場の拡大
2020年には20兆円規模に

世界の蓄電池市場は、再生可能エネルギーの普及と歩調を合わせて伸びている。経済産業省は2020年に世界の蓄電池市場が20兆円規模に拡大すると予測している。住宅用ならバックアップ電源として、産業用ならビルエネルギーマネジメントやスマートコミュニティなどへの導入によって、需要が高まっているからだ。

一方で、再エネの大規模導入に伴い、電圧変動など電力系統への悪影響が顕著になってきたという問題も生じている。変動の緩和や出力が一定になるよう制御するため、たとえば米カリフォルニア州では、民間電力会社に対し、2020年までに合計1325MWのエネルギー貯蔵用蓄電池の設置を義務付けた。15年2月末締め切りで78MWの競争入札があったが、約64倍の5000MW以上の応募があったという盛況ぶりだという。

FIT価格が下がる中で売電収入だけを目的とした再エネ普及は、とくに個人レベルでは難しい。自家消費した方がおトクになれば、本当の意味でグリッドパリティを達成することになる。蓄電池の価格が下がって〝蓄電池パリティ〞になれば、そうした時代がくるだろう。


文/大根田康介

※『SOLAR JOURNAL』vol.14 より転載

関連記事

2016/04/27 | 編集部からのお知らせ

多様化するO&Mサービス 未来への鍵③

2016/05/06 | 編集部からのお知らせ

未来の太陽光発電のカギを握るO&M企業に注目!

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【飯田さんコラム】新築住宅への太陽光発電設置義務化。東京都から全国へ広がる動き...
  2. 東京都の「太陽光義務化」2年間の準備期間を経て2025年春動き出す
  3. 【参加受付中!】2025年6月10日(火)「第34回PVビジネスセミナー」
  4. 積水化学工業がペロブスカイトを量産化! 2030年にはGW級の製造ライン構築を目指す...
  5. EPCの設計者必見! 蓄電池併設のFIP転やPPA「DCリンク」で収益を向上させる方法...
  6. 『SOLAR JOURNAL』“蓄電池ビジネス”特集号 5/27発行!
  7. EMS関連の国内市場 2040年にかけ中小規模の施設でも導入拡大へ
  8. 【EMS専門家が監修】系統用蓄電池のビジネスモデル、他社に差をつけるためのEMSの基礎知識...
  9. HUAWEI 新型蓄電システム、3機種を一挙公開 産業用・住宅用ともに「安全性」を徹底追求...
  10. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

蓄電池特集号 | ¥0
2025/5/27発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ