安田教授が指摘! 化石燃料の”隠れ”コスト

空き容量問題の解決にも
ベネフィットの発想を

送電線の空き容量問題を考える上でも、ベネフィットや外部コストの概念が重要なのです。その概念が欠落していることこそ、背景にある最大の問題だと言うこともできます。

逆に、再エネがベネフィットをもたらすものだということが周知されれば、「じゃあ、系統に入ってください」ということにもなるでしょうし、変動対策や系統増強のコストは「メリットを受け取る人が広く薄く負担しましょう」という受益者負担の発想にもなってくるはずです。

しかし現在、日本では、太陽光や風力は余計なコストを発生させるものと捉えられ、系統接続の費用も安易に事業者に転嫁されてしまっています。

国民全体の便益を考えるなら、再エネの積極的な導入拡大が不可欠です。いま再エネは世界中で推進されていますが、そこにあるのはベネフィットと外部コストを勘案した冷徹な経済合理性です。

日本においても、目に見えるコストだけにまどわされて場当たり的な問題解消に走るのではなく、将来を見据えた大局的な問題解決に向かっていって欲しいものです。

プロフィール

京都大学大学院 経済学研究科再生可能エネルギー経済学講座 特任教授

安田 陽


1994年、横浜国立大学大学院博士課程修了。工学博士。関西大学システム理工学部准教授を経て、2016年9月より現職。現在の専門分野は風力発電の耐雷設計および系統連系問題。


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.24より転載

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