Appleの「100%クリーンエネルギー」を支える日本の発電所があった!
2018/06/15
世界中から常に注目を集めているApple社が、世界各地にある自社施設の電力を100%クリーンエネルギーで賄っていることを発表した。それを支えるサプライヤー企業に、日本の企業が新たに決定した。Apple向け製品の生産を支える発電方法とは?
Apple施設の全電力を
クリーンエネルギーで
Apple社は今年4月、世界各地にある自社施設の電力を100%クリーンエネルギーで賄っていることを発表した。2011年以降、全世界の施設から排出される温室ガス(CO2e)の量を54%削減し、およそ210万トンのCO2eが大気圏に排出されるのを防いだという。
この100%クリーンエネルギーを支えているのが、世界各地のサプライヤー企業だ。今回、新たに9社が製造パートナーとして加わることが決定し、計23社がApple向けの生産を100%クリーンエネルギーで行うこととなった。新たな9社の中には、日本で基板用のソルダーレジスト(ソルダーマスク)※1を製造している太陽インキ製造株式会社も含まれている。太陽グループは、 ソルダーレジストの世界シェアナンバー1を誇っている。
※1:ソルダーレジストとは、プリント配線板の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となるインキ。部品の実装時にはんだ(=ソルダー)が不必要な部分へ付着するのを防止する役割がある。
生産を支えるのは
フロート式水上太陽光発電所
太陽ホールディングス株式会社の子会社である太陽インキ製造は、フロート式水上太陽光発電によって、Apple向け製品の埼玉工場での生産を100%再生可能エネルギーで賄うことを可能としている。
その水上太陽光発電を行っているのが、埼玉県比企郡嵐山町にある上太陽光発電所と嵐山大沼水上太陽光発電所だ。これは、太陽インキ製造のグループ会社である太陽グリーンエナジー株式会社が発電事業の1つとして行っている。
屋根上や地上に比べ、水上設置の場合は太陽光パネルの温度上昇を抑えることができるため、発電効率の点で有利となる。 また、水面への日射を遮ることでアオコの発生を防ぐことが期待できるというメリットもある。
2017年12月には、太陽インキ製造埼玉工場に隣接している溜め池で2基目となる発電施設の稼働が開始された。発電された電力は全て埼玉工場の運営に利用され、工場で使用される総電力の約5%、Apple向け製品の生産に使用される電力の100%に相当するという。
嵐山水上太陽光発電所
発電規模: 約1,150kW/想定発電量: 約1,340,000kWh/年
嵐山大沼水上太陽光発電所(太陽インキ製造本社隣接地)
発電規模: 約318kW/想定発電量: 約333,000kWh/年
DATA
太陽ホールディングス株式会社
住所:東京都豊島区西池袋一丁目11番1号 メトロポリタンプラザビル16階