変換効率23.95%! P型単結晶セルの新世界記録
2018/05/25
パネルメーカー世界大手のジンコソーラーが、P型単結晶セルにおける認証試験で変換効率「23.95%」という新たな世界記録を樹立。単結晶パネルの製造に長年注力してきたからこそ可能になった、最新技術とは?
ブラックシリコンや多層ARC技術を活用し
変換効率が0.5%も向上
太陽光モジュールメーカーのジンコソーラーは、2018年5月9日、同社が製造する『高効率P型単結晶セル』が、中国科学アカデミーの太陽光発電システムと風力発電システム品質試験センター(CAS)による認証試験で23.95%の変換効率を実現し、再び世界記録を塗り替えたと公表した。
ジンコソーラーが保有する”P型モノウエハ技術”は、同社が開発した高ドープで欠陥の少ないウエハにより、優れたバルク品質を実現。また、選択的エミッタ(SE)形成、シリコン酸化物パッシベーションおよび、背面パッシベーションのさらなる最適化により、高効率化に成功した。
ブラックシリコンを使用して日射を補足し、多層ARC技術でセルの表面反射率を0.5%未満に低減。さらに、最新バスバーを採用して直列抵抗を抑えるなど、複数の新技術を変換効率の向上に結びつけた。
同社CEOの陳康平氏は「弊社の最近の技術革新は、いくつかの最新技術を組み合わせたもので、とくに新しいコンタクト技術の導入により、従来のPERC電池の技術によりもたらされた技術的な技術的なボトルネックを解消し、弊社のP型太陽電池の2017年の過去の効率の記録23.45%を大幅に上回った。弊社は技術開発の方面で継続的に投入します」とコメントしている。
アメリカのメガソーラーに
約33万8000枚の太陽光パネルを提供
同社は、アラバマ州にあるメガソーラーに72MW分のモジュール(約33万8,000枚)を提供。年間発電量は190GWhを見込んでおり、これは1万8000軒の家庭の年間電気消費量に相当する。
さらに、フロリダ州における工場の建設も正式に発表。生産能力は約400MWで、2019年より稼働し、年間100万枚のモジュールを製造予定だ。
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