日本企業が「RE100」に続々と加盟、各社のエネルギー計画は?
2018/09/07
日本企業も続々と
「RE100」に加盟
一方で、日本企業は今年7月時点で、直近の丸井グループを含めて8社が加盟。最も早く加盟したのがリコーで、その後は積水ハウス、アスクル、大和ハウス工業、ワタミ、イオン、城南信用金庫と続いた。だが、世界に比べてまだまだ取り組みが遅れているのが現状だ。
RE100加盟の日本企業8社の各計画
●リコー(2017年4月21日発表)
温暖化防止と省資源の2つが柱。温暖化防止では、2050年までに、自社排出の温室効果ガス排出ゼロ、製品の省資源化率93%を目指す。同時に、上下流のサプライチェーンでの排出量もゼロを目指す。
●積水ハウス(2017年10月20日発表)
ZEH普及に加えて、2019年度よりFITが終了するに当たり、販売住宅などの太陽光発電の余剰電力を同社が購入。再生可能エネルギー割合向上と、住宅所有者の売電収益の双方を実現させる。
●アスクル(2017年11月29日発表)
2030年までに子会社を含むグループ全体で使用する電力をすべて再エネ利用で賄うことを目指す。また、中間目標として、2025年までに同社本社および物流センターの電力需要の再エネ利用100%を目指す。
●大和ハウス工業(2018年3月1日発表)
2030年までに使用電力量を上回る再生可能エネルギー電力を供給(売電)し、40年には同社グループの使用電力を100%再エネで賄う。また事業活動におけるエネルギー効率を30年に15年比1.5倍、40年に同比2倍にする。
●ワタミ(2018年3月19日発表)
2035年までに事業活動の消費電力のうち50%を、40年までに100%を再エネにする。地産地消型の電力会社と連携し、バイオマス発電を含めた再エネ電源を新規開発。さらに調達量を増やしていく。
●イオン(2018年3月28日発表)
国内外で約300モール、総合スーパー等も約630店舗を展開。2050年までに店舗でのCO2排出量をゼロにする。さらに、標準的な店舗と比較してCO2排出量を50%削減する環境配慮型の「次世代スマートイオン」の開発に着手する。
●城南信用金庫(2018年5月24日発表)
再生可能エネルギーを主とする電力小売事業者との契約、非化石証書付電力の購入、事業所内の太陽光パネル等、自家用発電設備の増加、高効率化の取組みを通じた消費電力の削減を推進。
●丸井グループ(2018年7月10日発表)
日本初のブロックチェーン技術により電源のトレーサビリティーを実現する、みんな電力の新サービス「ENECT RE100プラン」のトライアルに参加。再エネ電力サービスの導入を推進。
※2018年7月11日時点。各社のリリースを基に編集部作成
「EP100」や「EV100」といった
イニシアチブもある
日本企業の内、大和ハウス工業は、日本で初めて「EP100」にも加盟している。これは、エネルギー効率の高い技術や取り組みの導入を通じ、事業運営で使うエネルギー効率を2倍にするのが目標だ。同社は、RE100とEP100を同時に達成するモデルケースとして「大和ハウス佐賀ビル」を建設した。
参考:大和ハウス、再エネ100%でまかなう「電力自給自足オフィス」を建設
他に「EV100」という国際イニシアチブもある。企業による電気自動車の使用や環境整備促進を目指すもので、輸送による大気汚染や騒音公害を抑えることにつながる。
実は、世界で最も有効と考えられているのは、EP100とEV100で徹底的に省エネ化した上で、RE100で事業に使う電力を補っていく。そうしてエネルギー自立化を図るという、トライアングルによる相乗効果のようだ。
取材・文/大根田康介
SOLAR JOURNAL vol.26(2018年夏号)より転載