第2回入札は「落札者なし」前回の全社落札から一転、その理由は?
2018/09/14
大規模メガソーラーを対象として実施された、第2回入札。今回は「落札者なし」となった。前回は「全社落札」だっただけに、落差が激しい結果となった。その理由は、供給価格上限額が非公開だったためだ。
供給価格上限額を
非公開で入札実施
低炭素投資促進機構が、太陽光発電の第2回入札(平成30年度上期)の結果を発表。今回の入札は、なんと「落札者なし」となった。
入札は、出力2MW(2,000kW)以上の太陽光発電設備を対象として実施された。募集容量250MW(250,000kW)に対して、入札参加資格の審査のために提出された事業計画は19件。このうち、入札に至ったのは9件で、出力合計は196,960kWだった。
募集容量の上限に出力合計は届いておらず、この時点では問題がない。では、なぜ「落札者なし」となったのか。それは、供給価格上限額の「15.5円/kWh」を下回る入札者がいなかったからだ。
入札に至った9社中、最も入札価格が低かったのは16.47円/kWh。上限額の15.5円とは、1円近くの開きがある。
不落の事業計画一覧(出典:低炭素投資促進機構)
このような事態に陥った理由は、供給価格上限額を非公表にして、入札を行ったためだ。
前回の第1回入札では、上限価格を公表したうえで入札を実施。だが募集容量を応札量が下回り、上限価格で落札された案件が複数あった。そこで今回は、上限額を非公表にして入札を実施し、開札後に上限額を公表する流れになっていた。
今回の上限額は、8月に非公開で開催された調達価格等算定委員会でまとめられた意見を踏まえて、経済産業大臣が決定したものだった。
なお第1回入札では、入札に至った9社は全社落札となっていた。翻って今回の第2回では、落札者なし。調達価格を決定する側と、現場の発電事業者側との間に、意識の乖離があることが見て取れる。
今回の結果を受けて、次回の第3回入札(平成30年度下期)の募集容量は196,960kWとなることも合わせて発表された。次回入札では、果たしてこの意識のギャップを埋めることができるだろうか。