編集部からのお知らせ

“ゴミの埋め立て地”が激変!? エネルギーの地産地消で自立化へ

再エネ・マイクログリッドの最前線を行く、シンガポールのセカマウ島。これまではゴミの埋め立て地として使われてきたが、自家発電によるエネルギーの自立化を実現することで、地域発展を目指している。

前記事:セマカウ島で実証進む「再エネ・マイクログリッド」とは?

エネルギーの自立化で
地域課題を解決する

SPOREプロジェクトは2016年8月にスタートし、2017年10月に各種設備の設置作業が完了した。現在(2018年9月)はコミッショニング(試運転・性能検証)が行われており、まもなく通常運転に入る。発電した電力は、当面、セマカウ島内のオフィスで照明や空調等の電気として使われることになる。

セマカウ島内。マイクログリッド実証試験場の視察に向かう人々。

セマカウ島は、シンガポールの電力系統から切り離された離島であり、これまで島の電力はディーゼル発電によって賄われてきた。この状況は、他の多くの離島とも共通する。

こうした島々では石油等の燃料コストが地域社会の重荷ともなってきた。太陽光や風力をベースとする再生可能エネルギー・マイクログリッドが構築されれば、燃料コストを島外に払い続ける状況から脱却し、離島地域の発展を促すことにも結びつく。

SPOREは、最終的には再生可能エネルギー100%を目指すが、離島における現状を踏まえ、従来電源であるディーゼル発電機との連携にも柔軟に対応する。既存のディーゼル発電機と再生可能エネルギー発電設備の協調運転を行いつつ、徐々にディーゼルの発電量を減らしていくのだという。シュナイダーエレクトリックとエンジーは、SPOREをモデルケースとして、マイクログリッドの普及拡大を図っていく考えだ。

再エネとディーゼルの協調運転も可能。

再エネの発電コストは、劇的に低下した。太陽光や風力の不安定性への懸念は、IoTなど最新技術を駆使した需給管理技術や蓄電システムの高度化により、過去のものになろうとしている。課題とされてきたものの多くは、既に解消されようとしている。

この先、再エネ・マイクログリッドの導入がどのように進み、既存のエネルギーシステムをどう変えていくのか、注目されるところだ。


取材・文・撮影/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.27(2018年秋号)より転載

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【第7次エネルギー基本計画の原案公表】40年度に太陽光は22~29%程度、風力は4~8%程度...
  2. いつまで続けるのか、ガソリン補助という愚策
  3. 【環境省】「太陽光発電設備のリサイクル制度のあり方について(案)」に対するパブリックコメント...
  4. 【参加受付中!】2025年1月29日(水)「第32回PVビジネスセミナー」
  5. 【実証実験】横浜市が次世代型太陽電池の実証実験を開始‼
  6. 【東京都の助成】次世代型ソーラーセルの実証事業に対して4000万円までを助成...
  7. 【閣議決定】住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案が閣議決定。3省が連携して支援する...
  8. 【経済産業省】FIT案件への制御が増加し、FIP案件への制御が大幅に減少の見通し...
  9. 【経済産業省】第7次エネルギー基本計画案について意見募集
  10. 資源総合システム「太陽光発電海外市場レポート 2024年版」を発行
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.51 | ¥0
2024/10/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ