エコタウンで学ぶ、価値ある太陽光パネル利用法とは
2016/08/04
真価が目覚めるとき
梼原町が、サステナビリティや共生のトップランナーであることに間違いはない。だが、自然との関係性や今後の町の可能性において、海外の環境先進都市とは大きな違いがある。
同町では風力発電から得た収入を森林整備や太陽光パネルの普及に活用するなど、「自然からいただいたものは、自然にお返しする」という美意識、「全体を潤すための循環」の強化といった発想が町づくりの基盤にある。
この町が、「自然の一部」としてのあり方を深化させて、独自の価値を深層から捉え、真価を守り、伸ばし、世界にむけて解き放つことができたとしたら……それは、サステナビリティや共生という今の人類の切迫した課題に対してこれまでの延長線上にはないソリューションが提示されるときだ。
八百万のパラドックスを越えて
日本ならではの世界観、美意識を軸に創造されたものが、いつの間にか西欧文化ベースの現代文明的な基準や価値観で書き換えられ、そのうちに発案者や運営者も含め皆がそのものの真価を見失う……日本の社会に蔓延するこの現象、八百万の異変は、「和」そのもの、本来の日本なるものの喪失につながっていることを忘れてはなるまい。
八百万のパラドックスを乗り越え、和文化の本来の良さ・豊かさが日本を、そして地球を潤す時代が来ることに期待したい。
※『SOLAR JOURNAL』vol.14 より転載