編集部からのお知らせ

「パリ協定」の実施方針がCOP24で決定、地球温暖化を防ぐポイントは?

RE100の中心は
太陽光発電

「RE100(Renewable Energy 100%)」という世界的なプロジェクトがある。温室効果ガス排出量の削減に取り組む国際環境NGOであるクライメイト・グループ(The Climate Group)が主導するもので、事業運営に必要なエネルギーを100%、再生可能エネルギー(Renewable Energy)で賄うことを目標とする。

2018年5月までに世界の132社が加盟しているが、これら企業は、100%再生可能エネルギーへの転換について、期限付きの目標達成計画を立て、事務局の承認を受けることになっている。

海外では、イケア、アドビシステムズ、アップル、アクサ、バンク・オブ・アメリカなどの有名企業が、日本からはリコー、積水ハウス、アスクル、大和ハウス、ワタミ、イオン、城南信用金庫、丸井グループ、富士通、エンビプロ・ホールディングス等が加盟している。

再エネといえば、太陽光のほかに風力、水力、バイオマス、地熱などがあり、発電や熱の供給に使われている。世界的には一時風力発電が先頭を切っていたが、次第に増加ペースが低下し、太陽光発電が中心になりつつある。特に、日本においては、日射量が多くて太陽光発電にむいている反面、風況が悪いため風力発電には適地が少ないのが実情だ。また、バイオマスは効率的に劣り、地熱は地域的に偏っているため、どうしても太陽光が中心になってくる。

クライメイト・グループは「RE100」の他、事業のエネルギー効率を倍増させる「EP100」や、使用する自動車の100%電動化を目指す「EV100」等の国際ビジネスイニシアティブを主導している。

このような動きは日本でも活発化している。2009年7月には日本気候リーダーズ・パートナーシップ (J-CLP)が設立されており、2017年4月には、クライメイト・グループとパートナーシップを結び、「RE100」「EP100」「EV100」への日本企業の参加をサポートしている。

プロフィール

環境経営コンサルタント(合同会社 Xパワー代表)

村沢義久

東京大学工学修士。スタンフォード大学MBA。経営コンサルティング会社日本代表、ゴールドマンサックス証券バイスプレジデント(M&A担当)などを歴任の後、2005年から2010年まで東京大学特任教授。2010年から2013年3月まで同大学総長室アドバイザー。2013年4月から2016年3月まで立命館大学大学院客員教授。現在の活動の中心は太陽光発電と電気自動車の推進。Twitterは@murasawa。

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