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ニューヨークから「水圧破砕」を追放! 俳優マーク・ラファロの活動

最新作が日米で公開中の映画『アベンジャーズ』シリーズで緑のモンスター、ハルクを演じているマーク・ラファロは、グリーン活動家としても有名。ニューヨーク州からの水圧破砕追放を成功させた人物だ。

始まりは
水圧破砕反対運動

チャーミングでナチュラルな演技が抜群なマークは、実物も自然で“いい人”オーラの持ち主。独立系の小品への出演が続いていたが、「いつか大作に出演するようになるだろう」と強く予感させる存在感があった。

オスカーに初めてノミネートされた2010年の映画『キッズ・オールライト』でガーデニング姿がサマになっていた彼は、翌年、100%再生可能エネルギーの実現を目指す団体「The Solutions Project(ザ・ソリューションズ・プロジェクト)」をスタンフォード大学の教授らと立ち上げた。

同団体の始まりはちょっとユニークだ。2011年にグローバル・グリーンUSAでシェールガス採掘の水圧破砕反対運動に尽力したとして表彰されたマークは、そのイベントの際、シェールガスが大量に埋蔵されている岩層と同じ「マーセラス」という名前の人物と出会い、意気投合。それがきっかけで「ザ・ソリューションズ・プロジェクト」を設立したのだった。同団体のウェブサイトには、「水圧破砕や汚れた化石燃料に反対するだけでは充分じゃない。他の何かにも支持を示す必要がある。私はクリーンな再生可能エネルギーを支持したい」というマークの決意が掲載されている。

※水圧破砕法……環境汚染が問題視されているシェールガス・シェールオイルの採掘法



人間として何が大切かに
フォーカスする時が来ている

2012年のグーグルのイベントでは「子供達が花や木、鳥のさえずり、きれいな水、新鮮な空気と共に生活できると思いニューヨークに引っ越しました。移住して間もなく、その地域で水圧破砕が始まると聞きました。最初は素晴らしいと思ったのですが、調べてみると、井戸の汚染やぜんそく、ペットや家畜の死亡報告があることが分かりました。そうして、ニューヨーク州での水圧破砕の反対運動を始めたのですが、やがて、反対だけを掲げて戦うよりも代替アイデアを提示して戦う方が効果的だと分かったのです」とスピーチした。

ニューヨーク州からの水圧破砕追放を成功させた彼は、再生可能エネルギーへの転換がすぐにでも可能で、しかも経済効果があることをアピールする運動を活発化。クリーンな州としてニューヨークがリーダーシップを取ることを後押ししている。

2015年にディッキンソン大学で賞を贈られた際、彼はこう話している。「仕事で家を空ける時、家族は嫌な顔をする。でも、環境活動で出かける時は、『行って良いよ』と言ってくれるんだ。人間として何が大切かにフォーカスする時が来ているんだよ」。


DATA

『アベンジャーズ/エンドゲーム』

最後の戦いに臨むのは、豪華キャスト扮するヒーローたち。ロバート・ダウニー Jr. 演じるアイアンマン、クリス・エヴァンス演じるキャプテン・アメリカ、マーク・ラファロ演じるハルクなど、能力も個性も超人的な、だが欠点も弱点も持つ、そして危機にあっても人間味は失わぬヒーローだ。

だが、カリスマ性をそなえた最凶最悪の敵“サノス”のパワーはけた外れだ。自身の信じる姿に宇宙を変えるために、何の躊躇もなくパチンと指を鳴らしただけで全宇宙の生命の半数を消し去ったサノス。今や野望を叶えた彼に、ヒーローたちは、立ち向かうすべはあるのか?

PROFILE

マーク・ラファロ Mark Ruffalo

1967年、アメリカ生まれ。下積み時代は、バーテンダーとして生活をしながら舞台で活躍していたが、2000年の『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』で注目され、モントリオール世界映画祭男優賞とロサンゼルス映画批評家協会賞ニュー・ジェネレーション賞を受賞。2010年、2014年、2015年には、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされた。


取材・文/はせがわいずみ

SOLAR JOURNAL vol.29(2019年春号)より転載

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