編集部からのお知らせ

竹チップのバイオマスボイラ販売へ! 竹害解決へ進むか?

テス・エンジニアリングは1月27日、竹を燃料とする混焼バイオマス温水ボイラを販売すると発表した。新製品の名称は、「E-NE(イーネ)シリーズ」。木質バイオマスボイラ納入実績No.1の巴商会と、回転式ガス化旋回燃焼方式に秀でたエム・アイ・エスとの共同開発だ。

竹を燃料とするバイオマスボイラ
テス・エンジら3社の共同開発

テス・エンジニアリングは、巴商会、エム・アイ・エスと共同開発した、国産の竹チップ混焼バイオマス温水ボイラ「E-NE(イーネ)シリーズ」を販売開始した。新製品は、独自の回転式ガス化旋回燃焼方式バーナーを採用し、燃焼時のクリンカを抑制できる。クリンカとは、竹を燃焼させると灰が溶け融合して発生する塊だ。竹はカリウムを多く含むため、燃焼するとクリンカが発生し、これが燃焼の阻害や炉内の損傷の原因となる。

さらに、灰を炉の外に出す「灰出し」を全自動化することで省力化も図っている。粉状や固形の燃料にも対応でき、竹や木質チップ以外のバイオマス燃料も使用できる。パッケージ化により工期を短縮し、ボイラ法定検査や資格・免許も不要だ。

共同開発したエム・アイ・エスは、旋回式ガスが燃焼方式を得意としている。燃焼過程を2段に分けて燃焼させることで、すすや未燃物の発生が少なく、燃焼効率を向上させる技術を持つ。また、巴商会は木質バイオマスボイラの国内での納入実績が多く、木質チップに加え、ガスやオイルを燃料とするボイラの取扱いも豊富だ。

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});

放置竹林は土砂崩れの危険
課題は竹の消費、有効打となるか

竹は需要が年々減少し、適切な管理が行われない「放置竹林」が増えている。竹の根は横に広がり、地中深くには伸びないため、豪雨などが発生すると、他の樹木より土砂崩れにつながりやすい。こうした「竹害」を防ぐためには、定期的に伐採するなどの管理が必要だ。しかし、竹の商品化などには課題が多く、十分に活用されているとはいいがたい。

今回の竹チップ混焼バイオマス温水ボイラは、竹を燃料として利活用することで、放置竹林の課題を解決する手助けになる。テス・エンジニアリングは、プレスリリースにおいて「放置竹林に悩んでいる地域を中心にバイオマス熱利用を促し、エネルギー自給率の向上および再生可能エネルギーの普及を促進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していきたい」としている。

DATA

テス・エンジニアリング株式会社


文/山下幸恵(office SOTO)

関連記事

2018/04/18 | 編集部からのお知らせ

FIT大幅見直しで、バイオマス発電はどうなる?

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【インター・ドメイン】太陽光発電一体型計測ステーション、計画段階から運転開始後までデータ収集...
  2. 安全・安心でダウンタイムのない発電所のために。気象情報と稼働状況をAIが予測し一次対応を軽減...
  3. 東京都の「優れた機能性を有するシステム」に認定! AIKOのABCモジュール
  4. Sigenergyのハイブリッドパワコンを活用した、高過積載と蓄電池システムの新スキーム...
  5. 「ANDPAD受発注」の導入で業務を効率化!施工品質のさらなる向上を目指す
  6. 長期安定適格太陽光事業者制度始まる。複数の遠隔監視システムを使う発電所の「バルク管理」の課題をどう解決するか...
  7. 北海道釧路市「ノーモア メガソーラー宣言」 10kW以上の事業用太陽光発電を許可制へ...
  8. 系統用蓄電池の導入拡大が進む システム価格は前年比 約2割減
  9. 【参加受付中!】2025年9月12日(金)「第35回PVビジネスセミナー」
  10. 【終了】9/3(水)開催!注目の系統用蓄電池に特化した、投資家・金融向け「グリーン投資戦略セミナー」...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.54 | ¥0
2025/8/1発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ