国内初! ハイブリッド「地産地消エネルギーシステム」で100%面的利用
2020/04/24
ESG経営に力を入れるリソルホールディングスが、4月1日から「地産地消エネルギーシステム」を稼働した。同グループの千葉県のゴルフ場で、太陽光や熱エネルギーを“面的”に利用する。東京電力グループとのタッグで、高効率のエネルギーマネジメントを目指す。
太陽光や熱エネルギーを地産地消
面的マネジメントは東光高岳
リソルグループの「リソル生命の森株式会社」と「リソル再生エネルギー株式会社」は、東京電力エナジーパートナー株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社と、太陽光発電による「地産地消エネルギーシステム」を稼働した。
4月1日から、自営線と自己託送のハイブリッドによって、太陽光の発電量全量を地産地消する。国内初の取組だ。
4社は、低炭素促進機構の「郊外型スマートコミュニティ構築事業」に採択されており、2017年7月から、千葉県長生郡長柄町で事業化可能性調査をしていた。
舞台は、4月1日にリニューアルオープンした「Sport & Do Resort リソルの森(旧リソル生命の森)」だ。この主要施設であるメディカルトレーニングセンターとゴルフ場クラブハウスで使用する電力の30%超をこのシステムでまかなう。
今回のシステムがこれまでと異なるのは、エネルギーを“面的”に利用する点だ。建物の設備をそれぞれ制御するのではなく、エリア全体でまとめ、群として扱う。個別ではなく“面”でのコントロールには高い技術が求められる。
エネルギーマネジメントシステムは、アズビル株式会社との協業など数々の実績のある株式会社東光高岳が担う。
※事業全体のイメージ(当初計画をもとに稼働予定の設備とイメージを展開したもの。一部現状と異なる場合があります。)(出典:リソルグループ)
再エネによる事業運営に力
2020年度の100%達成は目前
太陽光発電だけでなく、熱を利用する点も、このシステムのユニークなポイントだといえる。
分散型エネルギー源として、1,200kWの太陽光発電設備と蓄熱型エコキュート、そして蓄電池を組み合わせる。これらの発電側までを自営線で、供給先であるゴルフ場へは自己託送で送電する。これによって、CO2排出量や光熱費の削減が可能となるという。
4月の稼働後は、まず需給のバランスをみながら、エネルギーマネジメントの精度を高めていく。高効率の“面的”なエネルギーマネジメントに、各所から注目が集まっている。
リソルグループはESG(環境・社会・ガバナンス)経営に力を入れており、2020年には同グループにおける再生可能エネルギー使用率を100%とする目標を掲げた。
2019年度の福島石川カントリークラブ太陽光の発電開始によって、同使用率は 90%強となる見込みで、目標達成は目前に迫っている。
DATA
リソルホールディングス株式会社プレスリリース「日本初の「地産地消エネルギーシステム」4月1日より稼働」
文/山下幸恵(office SOTO)