編集部からのお知らせ

日本版“グリーンリカバリー”始動! 経産省「新たな日常」の強化分野に

新型コロナからの経済回復に向け、経産省が方向性を明らかにした。欧州で先行する“グリーンリカバリー”を取り入れ「新たな日常」への適応を目指す。強調されたのは、非効率石炭火力のフェードアウト。待ったなしの課題が山積みだ。

欧州で先行する動きを受け
強化分野に「グリーン」

6月17日、経済産業省がウィズコロナ時代の経済復興に向け指針を打ち出した。取組みを強化する分野として「グリーン」を明示。気候変動問題への対応に力を入れる。欧州で取組みが進む“グリーンリカバリー”の日本版だ。

グリーンリカバリーとは、新型コロナからの経済回復と脱炭素化を同時に進める動きで、欧州委員会が提唱した。2020年4月には、ドイツ・フランスなど13ヶ国の環境大臣や業界団体、NGOらで構成されるグリーンリカバリー連合が発足。7,500億ユーロ(日本円で約90兆円)規模のファンドも立ち上げられ、経済復興に加えデジタルや気候変動対策、レジリエンスの強化を目指す。

日本もこれに呼応し、気候変動対策に力を入れる。非効率な石炭火力発電には、規制的措置を導入してフェードアウトを図る。発電効率の悪い石炭から、より効率のよいガス火力などへのシフトを後押しする狙いだ。再エネのさらなる導入や原子力の活用、需要家の電化や水素など新技術の開発も促進する。

今後の政策の大きな方向性として、パリ協定の1.5℃目標に向け、世界全体で約8%のCO2削減を維持する。新型コロナによる経済停滞によるCO2排出量も約8%減との見通しだが、経済復興と並行してこの水準を守りたい考えだ。

さらなるデジタル化で
「新たな日常」に適応する

新型コロナによって日本経済が直面する「新たな日常」に適応するため、「グリーン」のほかに「医療・健康」と「デジタル」の取組みも強化する。この3分野に共通する「レジリエンス」も同じく重要なカテゴリーだ。

デジタル分野では、先進的な取組みとしてスマート保安が例示された。スマート保安とは、AIで設備の異常を検知したりドローンで巡視したりする、効率化された保安の新しいあり方。まず電力・ガス・石油化学など産業インフラに導入できるよう、規制の見直しを進める。

続く6月29日には、第1回スマート保安官民協議会が開催された。基本方針とアクションプランを策定し、年内にも保安規制を見直す予定。新型コロナの余波が、あらゆる場面のデジタル化を加速する。

DATA

第26回 産業構造審議会総会


文:山下幸恵(office SOTO)

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【終了】2024年4月23日(火)「第29回PVビジネスセミナー」~ 市場動向/PPA・蓄電池の最適化モデル ~...
  2. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  3. 太陽光発電、盗難保険金が急増 持続的な保険提供が困難になる可能性も
  4. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  5. 【地域共生成功モデル紹介】ゼロカーボンビレッジ創出&市民参加型の取り組み...
  6. 【受付中】5/28(火) ケーブル盗難のリアルを知るための「太陽光のリスク管理」セミナー開催...
  7. 太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か
  8. 【2024年太陽光ビジネス】再エネは「長期安定電源」になる! 事業環境の整備に必須のリパワリング...
  9. 経産省、新電力ビジネスの経過措置「部分供給」の見直し案 オフサイトPPAへの影響は?...
  10. 東京都の2024年度系統用蓄電池導入事業 特高5件、高圧6件を採択予定
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.48 | ¥0
2024/01/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ