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大手O&M事業者に聞く!発電所の経年劣化を見据えたリバンピングとリパワリング

太陽光発電所のO&Mは、どのような考えに基づいて行うべきなのか。450MWのメガソーラーを管理するオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社の百合田和久氏に、経年劣化を見据えた適切なO&Mについて話をうかがった。

初期不良の改善から
発電所のO&Mははじまる

太陽光発電所の長期安定的な運用のために、発電所の劣化や不良とどう向き合うべきか。

全国86箇所・計450MW(2020年8月時点)の太陽光発電所を管理する、オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社。同社の執行役員副社長 戦略責任者・百合田和久氏によれば、適切なO&Mは運転開始時からはじまっている。

「我々が実地で調べたところでは、太陽電池モジュールには初期段階での不良がおよそ0.1%含まれていました。これは、ある研究機関の発表とも一致します。0.1%というのは、我々がオペレーションを行う450MWに対して、450kWに相当します。初期不良を改善するだけで、それだけの発電所を生み出せる、といっても過言ではありません」。

発電能力の経年低下は必然
取るべき対応は経年で異なる

では初期不良を改善したら、次にどうすべきか。

「太陽光発電所を構成する部材は、物性による経年劣化が避けられません。そして、劣化の速度は部材によって異なります。したがって、各部材の劣化に合わせた対応が求められます。我々の考えるO&Mは、太陽光発電所を構成する様々な部材について、それらが劣化する時期をあらかじめ想定して対処するというものです。長期的に考えた時、取るべき対応とは、これ以外にはないのでは、と思います」。

下の図は、百合田氏が考えるメガソーラーの長期的なオペレーションを示したものだ。5年目・7年目・10年目・15年目に修繕期が設けられ、それぞれに故障が想定される部材が記してある。物性によって避けられないこの修繕をあらかじめ織り込んで運用することが、長期的なO&Mの前提となる考え方なのだ。

経年劣化を見据えた
長期O&Mの考え方

メガソーラー事業から考察する施策

メガソーラー・プラントのライフサイクルを図示したもの。オペレーション期間は以下の5フェーズに大別される。

i.コミッショニングエラー期
完工時には表出しないが、運営機に表面化する設計や建設に起因するエラー

ii.修繕①期(5年目)
バッテリー、換気扇等の駆動機器の故障が発生するタイミング

iii.修繕②期(7年目)
通信機器、ダイオード系のスイッチ部材の故障が発生するタイミング

iv.修繕③期(10年目)
ヒューズ、空調機、強電系計測機器(電力メーター、電圧メーター等)の故障が発生するタイミング

v.修繕④期(15年目)
開閉器、遮断器のスイッチ部分の故障が発生するタイミング

出典:百合田和久氏

発電所の能力を回復させる
リバンピングという考え方

O&Mの考え方として、百合田氏は「リパワリング」と「リバンピング」の2つを区別する。

「リパワリングは発電所の発電能力(ポテンシャル)を高めることですが、リバンピングは、現状の発電所が本来有する能力を100%に近づけること。そのため、リパワリングにはテクノロジーが必要となり、リバンピングにはマネジメントが必要となります」。


発電所の能力を引き上げるのがリパワリングであり、発電所の能力を最大限に引き出すのがリバンピングだ。

この2つを区別し、管理する発電所に必要とされているのはテクノロジーなのかマネジメントなのかを明確にして対処することが適切なO&Mにつながる。

モニタリングには
ストリングレベルが必須

そして、O&Mには「ストリングレベルのモニタリング」が欠かせない。

「なにか不具合が生じた時、パワコンレベルでしかモニタリングしていないと、何千・何万とあるモジュールから不良箇所を特定しなければなりません。ストリングレベルでモニタリングをしていれば、どのストリングに不具合が生じているのか、対象範囲をすぐに特定できます」。

下の図で示している通り、ストリングレベルでのモニタリングが有益であることは明らかだが、実施していない発電所も多い。

モニタリングレベルで異なる
不具合特定可能範囲のイメージ


パワコンレベルとストリングレベルでは、あらかじめ特定できる不具合の範囲がこれほど違う。ストリングレベルのモニタリングが適切なO&Mに欠かせないことはこの図からも明らかだろう。

パワコンのリプレースと
ストリングオプティマイザ

20年以上の運用を見据えた時、パワコンのリプレースも視野にいれなければならない。日本でも導入の進むAmptストリングオプティマイザは、パワコンのリプレース時にモジュール配線変更が不要で、かつ発電最適化によって発電量UPが見込め、またストリングモニタも付加されるソリューションとして、注目を集めている。この製品について、百合田氏はこう評価する。

「パワコンのリプレースを早めることは、廃棄のための償却費用が発生し、年度のバランスシートに影響を及ぼすため、運営する企業の状況によっては困難な場合もあると思います。ただ、ストリングレベルで発電量を高めつつ、同時にストリングレベルのモニタリングができること、またリプレースのコストを削減できる点で、すぐれたソリューションだと思っています」。

初期不良を改善した後、物理的に必ず訪れる発電所の劣化をあらかじめ想定し、リバンピング=マネジメントを実施する。リパワリングにあたっては、適切な時期とテクノロジーを選択する。

これが、太陽光発電所の運用に欠かせない、“当たり前”の考え方なのだ。

PROFILE

オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社
執行役員副社長 戦略責任者

百合田和久氏

DATA


Amptストリングオプティマイザ
ストリングレベルで電力を調整し、最適な発電状況を作り出す。ストリングレベルのモニタリングを可能にし、パワコンのリプレース時にも配線の変更が不要となるなど、導入のメリットは大きい。

お問い合わせ

アンプトジャパン合同会社
神奈川県横浜市港北区新横浜3-6-12 日総第12ビル10階
TEL:045-565-9977


SOLAR JOURNAL vol.35(2020年秋号)より転載

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