スマート保安、2025年に向け普及進める。経済産業省がアクションプランを策定
2021/06/04
経済産業省のスマート保安官民協議会が、初のスマート保安のアクションプランを策定した。ドローンによる巡視やセンサーによるデータ取得といったスマート技術を取り入れ、電気保安をとりまく課題に対応する。
課題が山積の電気保安
2025年を第一弾の目標年に
電気保安をめぐる状況は、年々厳しさを増している。再エネ設備の増加に加え、電気設備の高経年化、保安人材の高齢化も重大な問題だ。また、毎年のように猛威を振るう自然災害への備えも喫緊の課題といえる。
こうした状況を受け、2020年6月に発足した経済産業省のスマート保安官民協議会では、安全で効率的な産業保安を目指して検討が重ねられてきた。4月30日には、スマート保安に役立つ新技術や関係する規制・制度の見直しをまとめた「電気保安分野 スマート保安アクションプラン」が発表された。
アクションプランでは2025年を最初のターゲットイヤーとして、高度なセンサーやドローン、データ活用などを駆使して課題解決を目指す将来像を打ち出した。民間事業者がスマート保安を導入することで異常箇所の早期発見につなげ、事故の低減を図る。
スマート保安技術を順次実装へ
ドローンや遠隔監視の普及拡大
スマート保安のための開発が期待される分野として挙げられたのは(1)ロボット・ドローン、(2)センサー・カメラ、(3)定期・常時伝送、(4)異常検知・予兆検知・CBM※、(5)ウェアラブル機器――の5つだ。技術的に可能なものから社会実装を進めていくとした。
※CBM(Condition Based Maintenance)とは、老朽化や異常検知といった設備の状態を予知し、必要と判断された時にのみメンテナンスを実施すること。
太陽光発電設備に関しては、ドローンによる巡視点検を普及させたり、遠隔監視技術をさらに向上させたりしてスマート保安率を高める方向が示された。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)