編集部からのお知らせ

「自然エネルギー世界白書2021」が依然として厳しい世界の実情に警鐘

国際的な自然エネルギー政策ネットワーク組織のREN21が「自然エネルギー世界白書2021」を発表した。自然エネルギーに関する目標と行動の間には大きなギャップがあると厳しく指摘し、政府に対し支援策だけでなく化石燃料などの抑制策を求めた。

目標と行動のギャップに警鐘
化石燃料のシェア依然変わらず

国際的な自然エネルギー政策ネットワーク組織のREN21が毎年オンラインで発刊する「自然エネルギー世界白書2021」が6月15日、公表された。REN21とは、日本語で「21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク」。科学者や学術機関だけでなく、政府やNGO、産業団体といった自然エネルギーの専門家による唯一の国際的なコミュニティとされている。

「自然エネルギー世界白書2021」では、自然エネルギーに関する目標と行動のギャップに強く警鐘を鳴らしている。具体的には「G20のうち15ヶ国が全分野を対象とした2020年の自然エネルギー目標を定めていない」ことや「この10年間、エネルギー消費に占める化石燃料のシェアは減少しなかった」ことを指摘した。

(出典:特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所)

自然エネルギーの利用を
あらゆる経済活動の指標に

一方で、電力セクターに関しては、2020年に新たに導入された発電容量の多くを自然エネルギーが占めたことを評価した。2020年の1年間で、全世界で256GWを超える自然エネルギーが導入され、前年と比べて30%増加したという。

REN21事務局長のラナ・アディブ(Rana Adib)氏は、各国政府に対し、自然エネルギーへの支援に加えて化石燃料設備の大幅な縮小を推進する必要があると述べた。そのためには「自然エネルギーの利用をあらゆる経済活動、あらゆる予算、あらゆる公共調達における重要業績評価指標(KPI)とする必要がある」とした。

なお、REN21の「自然エネルギー世界白書」の日本に関連するデータの取りまとめは、特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所(ISEP)が行っている(参考『自然エネルギー拡大には「化石燃料すべてのロックダウンが必要」と主張』)。

DATA

環境エネルギー政策研究所(ISEP):REN21「自然エネルギー世界白書2021」公表


文:山下幸恵(office SOTO)

関連記事

2016/11/14 | 編集部からのお知らせ

再生エネルギー、その行く先はどこへ向かう?

2016/08/11 | 編集部からのお知らせ

自然エネ「2030年24%」本当にいけます?

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【終了】2024年4月23日(火)「第29回PVビジネスセミナー」~ 市場動向/PPA・蓄電池の最適化モデル ~...
  2. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  3. 市場運用者・広域機関に聞く、長期脱炭素電源オークションが目指すものとは?...
  4. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  5. 【2024年太陽光ビジネス】再エネは「長期安定電源」になる! 事業環境の整備に必須のリパワリング...
  6. 【受付中】5/28(火) ケーブル盗難のリアルを知るための「太陽光のリスク管理」セミナー開催...
  7. 太陽光発電、盗難保険金が急増 持続的な保険提供が困難になる可能性も
  8. 【地域共生成功モデル紹介】ゼロカーボンビレッジ創出&市民参加型の取り組み...
  9. 太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か
  10. 経産省、新電力ビジネスの経過措置「部分供給」の見直し案 オフサイトPPAへの影響は?...
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.48 | ¥0
2024/01/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ