業界ニュース

東急不動産が系統用蓄電池に参入! 「TENOHA東松山」で2024年度に運転開始

東急不動産が、自社が運営する「TENOHA東松山」で系統用蓄電池事業を開始した。伊藤忠、パワーエックス、自然電力の4社と連携し、蓄電池システムを最適に運用することで、調整力を生み出し、需給調整市場などへの提供を目指す。

4社で系統用蓄電池事業を開始
パワーエックス製蓄電池は国内初


(TENOHA東松山における系統用蓄電池事業の概要。出典:自然電力株式会社)

東急不動産は8月3日、自社が運営する「TENOHA東松山」(埼玉県東松山市)において系統用蓄電池事業を開始すると発表した。東京都の令和4年度系統用大規模蓄電池導入促進事業を活用し、同社が運営する実証実験プラットフォーム「リエネソーラーファーム東松山」内のTENOHA東松山に蓄電池を設置する。2023年度内に建設に着手し、2024年度下期に運転を開始する予定だ。

今回の事業では、パワーエックスの蓄電池システム(定格出力1.8MW、定格容量4.9MWh)が系統用蓄電池事業において国内で初めて採用された。蓄電池システムの導入にあたっては、東急不動産、伊藤忠商事、パワーエックス、自然電力の4社がパートナーシップ契約を締結。伊藤忠商事は蓄電池システムの構築や制御装置などを含むシステム全体の調達、パワーエックスは蓄電池の納入、自然電力はアグリゲート・エネルギー管理システム「Shizen Connect」によって蓄電池の充放電の制御を担う。
 

再エネ普及に役立つ系統用蓄電池
需給調整市場などでの活用に期待

系統用蓄電池とは、電力系統や再生可能エネルギー発電所に直接つなげて利用する蓄電池のこと。電気が余っているときには充電し、電気の需要が多いときには放電するなどの制御を行って電力系統の安定運用を目指す。

蓄電池の充放電などによって電気の需要と供給のバランスを維持する機能のことを「調整力」と呼び、天候によって出力が変動する再生可能エネルギーを拡大するうえで重要な役割を果たす。国は、需給調整市場や容量市場といった新たな制度を設けて調整力の提供に対して対価を支払うことで、調整力の取り組みを後押ししている。(参考:再エネの拡大を陰で支える「調整力」とは? 需給調整市場の役割を知る|SOLAR JOURNAL

東急不動産のTENOHA東松山での系統用蓄電池事業でも、蓄電池の制御によって生まれる調整力を需給調整市場や容量市場、卸電力市場などへ提供するとしている。4社は今回の事業を通じて「系統用蓄電池システムの枠組み構築を行い、今後も他案件への取り組みを進めることで日本の電力システムの安定化に貢献する」としている。
 

DATA

東急不動産株式会社プレスリリース

PVビジネスセミナー
「太陽光義務化元年」と呼ばれる2023年。いま業界内でも大注目を集めるPPAモデルや、導入される発電側課金の仕組み、蓄電池導入の先進事例などの最新業界動向について徹底解説!豪華登壇者をお迎えし今後のビジネスチャンスを読み解きます。2023年再エネビジネス成功へ道筋を一緒に考えてみませんか?


文:山下幸恵(officeSOTO)

関連記事

2024/09/08 | 編集部からのお知らせ, | 太陽光イベント

【終了】2024年10月25日(金)「第31回PVビジネスセミナー」

全国知事会議

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【受付中】2/13 東京都の補助金で加速!《エネマネ》セミナー ~EV、充電設備、ERAB最新事情~...
  2. 【北村コラム】快進撃が続くドイツの太陽光発電
  3. 耐久性と発電効率の両立 京セラの多雪地域向け太陽光パネルの革新性
  4. 【環境省】2月3日から脱炭素先行地域の第6回募集を開始「来年度中に100地域の選定を目指す」...
  5. 放射冷却素材『SPACECOOL』で問題解決 熱トラブル停止「ゼロ」を達成した方法を初公開...
  6. 【入門】脱炭素時代を生き抜く! エネルギーマネジメント・脱炭素の基礎知識をわかりやすく解説...
  7. 『SOLAR JOURNAL』最新冬号1/31発行!《日本の未来を照らすPV TREND 2025》
  8. 【第7次エネルギー基本計画の原案公表】40年度に太陽光は22~29%程度、風力は4~8%程度...
  9. 【Tesla】「Model Y」新モデル発表!未来志向のデザインと快適性を追求
  10. 【参加受付中!】2025年4月22日(火)「第33回PVビジネスセミナー」
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.52 | ¥0
2025/1/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ