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【産総研】世界初となるペロブスカイト太陽電池自動作製システムを開発‼ 開発スピードを飛躍的に向上できる

国立研究開発法人産業技術総合研究所は、世界初となるペロブスカイト太陽電池自動セル作製システムを開発したと発表。ペロブスカイト太陽電池の実用化に必要な材料開発における評価や作製条件の検討を行う際のばらつきを抑え、評価が容易になるという。

自動化によって
「最適化」が容易に

国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)に属するゼロエミッション国際共同研究センターの有機系太陽電池研究チームは、世界初となるペロブスカイト太陽電池自動セル作製システムを開発した。産総研は「セル作製条件の最適化を効率よく行うことで、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化と高性能化に貢献します」としている。

軽量で曲げられるという特徴を持つペロブスカイト太陽電池は日本の太陽電池産業復活の切り札として実用化が期待されているが、不十分な耐久性などの課題が残されている。産総研は、ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指し、高効率化・高耐久化に向けてペロブスカイト組成の改良、新規材料開発、大面積への材料成膜技術、電力を効率よく取り出す技術などを研究してきた。こうした中、今回のシステムの開発に至った。

出典:国立研究開発法人産業技術総合研究所

ペロブスカイト太陽電池の開発過程において新材料や新プロセスの効果を初期評価するには一般的には面積1 ㎠程度の小さな太陽電池セルを作製し、性能を評価する。しかし一般に、ペロブスカイト太陽電池は性能のばらつきが大きく、材料やプロセスを評価するためには、多くのセルを作製し検討する必要があった。また、太陽電池を構成する材料を一つ変えると、高い太陽電池性能が得られる作製条件も変わるため、材料に合わせた作製条件の最適化を行う必要もある。この点を改善するため産総研は、ペロブスカイト太陽電池のセル作製を自動化させて人為的な要因を排除することで太陽電池性能のばらつきを抑制し、セル作製条件を変えて最適な太陽電池性能を得られる条件を探索することが可能となる自動化システムの開発に取り組んできた。
今回、開発に成功した基板電極の洗浄から電子輸送層、ペロブスカイト層、正孔輸送層の各種材料の積層、裏面電極の蒸着、セルの分離まですべて自動で行えるシステムは、世界初の装置。装置を活用すれば、1日当たり、これまでの10倍以上の数のセルをさまざまな条件で作製することが可能となり、開発における時間の短縮と研究開発の効率を向上させることが期待される。
今後に関して産総研は「グリーンイノベーション基金に参画する企業を中心に、本システムを活用し、材料選定、プロセス検討、条件最適化の時間短縮により、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化と性能向上に取り組みます」と話す。

MEMO

今回の研究開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業「グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発/次世代型太陽電池基盤技術開発事業/次世代型ペロブスカイト太陽電池の実用化に資する共通基盤技術開発(2021~2025年度)」による支援を受けている。

DATA

世界初となるペロブスカイト太陽電池自動作製システムを開発

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