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FIP制度がPVビジネスを変える! 太陽光発電ビジネスにどんな変化をもたらすのか?

FIT(Feed-in Tariff)からFIP(Feed-in Premium)へ。再生可能エネルギーの支援制度が、大きく変わり始めた。新たな制度は、太陽光発電ビジネスにどんな変化をもたらすのか? FIP制度の仕組みを整理し、これからのビジネスモデルを考える。

FIP制度では市場価格に
連動して収入が変動

いよいよ動き出したFIP制度は、Feed-in Premiumの名のとおり、プレミアム(補助額)を上乗せして再エネ電力をやり取りする仕組みだ。FIT制度のように固定価格での買取りではなく、再エネ発電事業者が卸電力市場などで売電したときに、その売電価格に対して一定のプレミアムがつく。

FIT制度では、再エネ発電事業者が市場価格に関心をもつ必要はなかったが、FIP制度では市場価格の変動がそのまま収入の違いになって表れる。FIT制度の方が経営の安定は望めたが、FIP制度にはより大きな利益を得る可能性もある。FIP制度は再エネ自立化に向けたステップアップのための制度であり、電力市場への統合を促しながら、投資インセンティブの確保と国民負担の抑制を両立していくことを狙いとしているのだ。


出典:資源エネルギー庁

FIP/FITを選択可。
ただし対象は年々小さく

FIT制度からFIP制度への移行は段階的に進められる。太陽光においては50kW以上の発電設備がFIP制度の対象となるが、2022年度は、1,000kW未満までならFIT制度を選んでも良いことになっている。この選択制となる対象は、2023年度が500kW未満まで、2024年度が250kW未満までと年々減らされていく。

FIP制度/FIT制度の対象区分

 


出典:資源エネルギー庁

プレミアム算出方法。
求められるバランシング

FIP制度における再エネ発電事業者の収入(FIP収入)は、売電収入にプレミアムを加えたものとなる。プレミアムは、「基準価格」から「参照価格」を引いた金額だ。基準価格は、再エネ電力を効率的に供給するときに必要となる費用の見込み額をべースに、一定の利潤なども加味して算出される。この基準価格は、FIT制度における調達価格と同じ水準にするものとし、交付期間にわたり固定されることになっている。

参照価格は、前年度年間平均市場価格をベースに、当年度月間平均市場価格、前年度月間平均市場価格、非化石価値相当額、バランシングコストなどを考慮して決定される。この参照価格は、1ヶ月ごとに更新されることになっているので、基準価格と参照価格から算出されるプレミアムも月ごとに変わってくる。

FIP制度では再エネ発電事業者に対して、発電する電力の「計画値」を出して、実際の「実績値」と一致させることを求めている。これをバランシングといい、計画値と実績値の差(インバランス)が生じた場合には、その差を補うための費用(ペナルティ)を払わなければならない。これはFIT制度では再エネ発電事業者には免除されていたものだが、FIP制度では免除されない。そのため、参照価格において、「バランシングコスト」という形で、インバランスリスクへの配慮がなされている。ただしこの配慮は経過措置的なものであり、毎年少しずつ減らされていく。

FIP制度の収入イメージ


出典:資源エネルギー庁

プレミアム(下記算定式にて毎月算出)
=基準価格-参照価格×kWh

アグリゲーターへの売電や
相対取引が活発化

FIP制度においては、再エネ発電事業者(FIP認定事業者)が、バランシングに配慮しつつ、発電した電力を自ら売りに出さなければならない。しかし、売り先は必ずしも卸電力市場でなくても良く、相対取引で小売電気事業者に売ったり、アグリゲーターと契約して様々なサポートを受けながら売電することもできる。

実際問題として、中小の再エネ発電事業者が、いきなりバランシングの責任を負い、卸電力市場に参入するのはハードルが高い。小規模な再エネ発電事業については、それらを束ねて売買し、バランシングを代行するといったようなアグリゲーションビジネスの発展が期待されている。

FIP制度下での主な取引方法

 


出典:資源エネルギー庁

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