政策・制度

10kW未満の住宅用・事業用太陽光発電の屋根設置 10月から買い取り価格を大幅に引き上げ

経済産業省は3月21日、2025年度以降の再エネのFIT制度とFIP制度買い取り価格と賦課金単価を公表した。10kW未満の住宅用・事業用太陽光発電の屋根設置については、今年10月から初期投資支援スキームが導入され、期限付きで買い取り価格が大幅に引き上げられる。

<目次>
1. 2023年10月に屋根設置区分を新設
2. 今年10月から初期投資支援スキームを導入
3. 再エネ賦課金 2年連続で増額

 

2023年10月に 
屋根設置区分を新設

太陽光発電の買い取り価格(出典 経済産業省

経済産業省は3月19日、2024年度以降の固定価格買取制度(FIT)の調達価格、フィード・イン・プレミアム(FIP)の基準価格を決定し公表した。25年4月からの太陽光発電の調達価格・基準価格についてはすでに決まっており、一定規模以上は入札制、連系出力50kW以上入札対象未満は8.9円/kWh、10kW以上50kW未満で地域活用要件に適合した案件は10円/kWhとなっている。

FIT制度における25年度下半期の買取価格は、入札対象外の住宅用太陽光発電(10kW未満)を15円/kWhとして24年度より1円引き下げた。10kW以上の事業用太陽光については、23年10月から新たに「屋根設置」区分を創設し、「地上設置」よりも2~3割高く設定している。

 

 

今年10月から
初期投資支援スキームを導入

今年10月からは、10kW未満の住宅用・事業用太陽光発電の屋根設置に初期投資支援スキームが導入され、期限付きで大幅に引き上げられる。住宅用太陽光は24円(~4年)、8.3円(5~10年)、事業用太陽光(屋根設置)は19円(~5年)、8.3円(6~20年)とする。

風力発電の買い取り価格(出典 経済産業省)

陸上風力発電(50kW未満)は26年度が12円/kWh 、27年度が同11.8円と0.2円引き下げた。50kW以上の25年度入札上限価格は13円で、前年度と同額になっている。リプレイスした風力発電の25年度買い取り価格は12円で、前年度と同額になっている。

再エネ賦課金 
2年連続で増額

賦課金単価算定根拠(出典 経済産業省)

また、経済産業省は再エネの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金を、2025年度は1kW時あたり3.98円にすると発表した。24年度の同3.49円から0.49円引き上げた。23年度は12年の制度創設以来、初めての減額となったが、2年連続で引き上げられた。月400kW時を使う標準家庭で、4月の電気料金から月平均196円の負担増となる。

賦課金は、再エネ電力の固定価格買取制度(FIT)の費用などに充てるため、電気料金に上乗せされている。2012年の導入開始時は1kW時あたり0.22円だったが、その後増え続けた。賦課金は、再エネ電力を送配電事業者が買い取る費用から卸電力市場に売電して得る収入を差し引いた金額をもとに、経産相が年度ごとに金額を決定する。25年度の賦課金単価は、2025年5月検針分の電気料金から26年4月検針分の電気料金まで適用される。

DATA

再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します


取材・文/高橋健一

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