政策・制度

JPEA、太陽光の地域共生・共創に向け意見表明。事業譲渡などへの支援も要望

太陽光発電が地域とともに発展し、長期にわたり安定した稼働を続けるにはどうすればよいのか。JPEAはこのほど、実現のための環境整備に関する意見表明を発表し、発電事業の譲渡や集約化に関する支援も要望した。

太陽光の「あるべき姿」を再確認
稼働済みや既設案件にも積極関与

太陽光発電協会(JPEA)は8月30日、地域との共生・共創に基づく長期安定稼働を実現するための環境整備についてとりまとめた意見表明を公開した。

この意見表明では、昨今の太陽光発電に関するさまざまな規制の強化や、懸念に対するJPEAの基本的な考えを示した。また、太陽光発電の健全な普及と推進、使用済み太陽電池の適正な処理・リサイクルに向けたこれまでの取り組みを振り返るとともに、太陽光発電の「あるべき本来の姿」を実現するための事業者、自治体・地域、国などに望む取り組みを整理した。

具体的には「地域から懸念され課題とされている事項を解消するだけではなく、日本全国各地に降り注ぐ太陽のエネルギーを最大限活用し、地域と国に裨益する」ことが太陽光発電の「あるべき姿」だとした。そのうえで、運転開始から設備運用・管理、設備撤去・廃棄までのプロセスに焦点を当て、新規開発案件と同様に稼働済みや既設の案件に関しても積極的に関与していくという考えを示した。

(出典:太陽光発電協会)

リサイクル体制などの構築も急務
事業譲渡や集約化の支援策を要望

使用済み太陽電池の適正な処理・リサイクルに向けた取り組みに関して、JPEAは、すべてのステークホルダーが関与した仕組みの構築が必要だと主張している。そのため、課題の共有や効率的な収集運搬体制の構築のほか、リサイクル素材の用途の開発や受け入れの拡大に対しても働きかけるとした。

また、太陽光発電が地域と共生・共創した長期安定稼働となるには、適切な維持管理に加えて、買取期間の満了を迎える発電設備への追加投資やリパワリングなどが必要になるとして、事業譲渡や集約化に取り組む事業者への後押しを求めた。

経済産業省は今年7月、有識者会議「再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」の第7回会合において提言案をとりまとめた。その中では「法令違反の発生を未然に防止することを前提とし、違反が生じた場合、速やかに解消させることも意識しながら、既に再エネ特措法の認定を取得している案件や稼働している案件に対する対応と、新規の案件や非FIT・非 FIP 案件に関する対応とで、必要に応じて分けて検討を行っている」とされている。JPEAはこれに賛同し、今回の意見表明に至ったとしている。

DATA

太陽光発電協会:意見表明「地域との共生・共創に基づく太陽光発電の健全な普及を目指して」


文:山下幸恵(office SOTO)

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