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東北電力、FIPなどの発電計画やインバランス精算を代行する新サービスを開始

FIP制度を適用する再エネ発電事業者を対象に、東北電力がインバランス料金などを負担する「再エネアグリゲーションサービス」を始めた。発電事業者にとってはサービス料金が固定されるため、収支予見性の向上が期待される。

FIP制度の需給管理などを代行
インバランス固定で予見性を向上

東北電力は7月1日、再生可能エネルギー発電事業者に向けて、FIP制度などにおける発電計画の策定や提出などを代行する「再エネアグリゲーションサービス」を開始した。

同サービスでは、発電量の予測や発電計画の策定・提出を同社が代行する。発電の計画値と実績値の差分に対して発生するインバランス料金も同社が負担するという。電力取引市場への売電にあたって必要な入札業務なども、同社が代行する。サービス料金については、個々の発電所の規模や利用内容に応じ、提案するという。

(再エネアグリゲーションサービスのイメージ。出典:東北電力)

具体的には、同社がこれまで営んできた発電事業による需給管理のノウハウを活用し、精度の高い発電計画を策定することでインバランス料金の低減を目指す。同サービスでは、インバランスの発生量あたりの料金単価を固定するため、発電事業者にとっては収支の見通しを立てやすくなるメリットが期待できる。

さらに、同社は「再エネアグリゲーションサービス」に加え、自己託送やオフサイトPPA、卒FITにおける発電量の予測などのサービスも展開するとしている。なお、これらのサービスへの問い合わせや申し込みについては、専用のWEBサイトで受け付けるとのことだ。(参考:東北電力 再エネアグリゲーションサービス

今年度から新設のアグリゲーター
新ビジネスの誕生や発展に期待

東北電力がこうしたサービスを展開するに至った背景には、2022年4月に新設された「特定卸供給事業者」という制度がある。

特定卸供給事業者は「アグリゲーター」とも呼ばれ、再エネ発電設備や蓄電池、電気自動車といった分散型エネルギーリソースを束ね、電気事業者などへ卸供給する役割を担う。電気事業法の改正で、今年度から、こうしたアグリゲーション事業を営む際には経済産業大臣への届出が必要となった。東北電力はこの7月、アグリゲーターとなった。

(出典:東北電力)

資源エネルギー庁によると、アグリゲーターの要件として、こうした分散型エネルギーリソースを1MW以上集約することが挙げられている。また、小売電気事業や発電事業、あるいはその両方と兼業するケースが想定される。アグリゲーターは7月8日時点、東北電力を含む32社が公表されている。(参考:資源エネルギー庁 特定卸供給事業者一覧

DATA

東北電力株式会社 プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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