次世代BCモジュールで日本市場へ Gokin SolarがEPC向け提案を本格化

日本市場への展開を本格化。シリコンウエハーで世界有数の供給力を持つGokin Solarが、次世代BCモジュールで日本市場へ。高効率なBCモジュールを軸に、限られた設置面積での発電量向上や施工負担の軽減を訴え、EPCや発電事業者との連携を広げていく。

 

200GW以上の供給力を土台に
モジュール事業を展開


中国の太陽光関連メーカーGokin Solarは2019年に設立された。創業以来、シリコンウエハー事業を中心に事業を拡大してきた。

現在、シリコンウエハーの年間生産能力は100GWを越え、累計出荷量も200GW以上に達している。その供給力を土台として、2023年から太陽光モジュール事業を本格的に立ち上げた。

同社は製品の価値を、「満席」「満発」「消防」「満保」という4つの言葉で表している。表面全体で光を受けるフルスクリーン、高い発電量・耐久性、長期保証という考え方である。

モジュール事業では、現在主流のTOPCon技術と、電極をセルの裏側に配置するBC(バックコンタクト)技術の両方を展開している。その中でも、今後の成長の柱と位置付けているのがBCモジュールである。

BC×フルスクリーン
受光面積を最大化

一般的なモジュールでは、表面のバスバーや金属電極が光を一部遮ってしまう。これに対し、BCモジュールは受光面を広く確保しやすく、限られた面積でも高い出力を目指せる。このBC技術にフルスクリーン構造を組み合わせている。

住宅向けの54セルBCモジュール「GK-3-54HGFb」は、重量17.4キログラムの軽量設計が特徴だ。従来の両面ガラス仕様より3.4キログラム軽く、屋根への搬入や施工負担を軽減する。出力は480〜500W、変換効率は最大25%で、35年の製品保証と30年の出力保証を備える。さらに年間劣化率を0.35%に抑え、長期間にわたって高い発電性能を維持できる。

一方、工場や商業施設向けには72セルBCモジュール「GK-3-72HGF」を展開する。同一サイズのTOPCon製品と比べて30W高い670W出力を実現し、設置容量は4〜6%向上。25年間では約6.5%多く発電できると試算している。

大規模な地上設置型発電所向けには、両面発電に対応した66セルタイプ「GK-4-66HGBD」も用意しており、設置場所に応じて製品を使い分けられる。

日本市場では、現地パートナーとの協業を足掛かりに、初年度で50MWの供給を計画している。今後は、日本国内で設置したモジュールの発電量・稼働状況についてもデータを蓄積し、EPCや発電事業者への提案に活用していく考えだ。

まずは日本の販売パートナーと連携しながら、住宅用、産業用屋根、大規模発電所向けの製品を展開する。並行して、日本市場に詳しい営業人材や技術担当者の採用も進める。

将来的には、1〜2年以内をめどに日本国内に法人やオフィスを設け、営業だけでなく、技術サポートやアフターサービスの体制も整えたいとしている。海外メーカーの製品を採用するEPCにとって、問い合わせへの対応や不具合発生時の支援、保証の窓口が国内にあるかどうかは重要な要素だ。

太陽光モジュール市場では価格競争が続く一方、導入後の発電量や耐久性、施工のしやすさ、サポート体制を重視する動きも強まっている。同社は、ウエハーから培った技術力とBCモジュールの高出力を入り口に、日本のEPCや発電事業者と実績を積み重ねようとしている。

 

EPCには発電量と
施工性の両面を訴求

同社がEPCに対して強く訴求したいのは、モジュール単体の変換効率だけではなく、発電所全体で見た経済性である。

例えば、1万平方メートルの屋根に72セルBCモジュールを設置した場合、同サイズのTOPConモジュールと比べ、設置容量を4.6%増やせるという試算がある。また、必要なモジュール数や架台、配線などを抑えられることから、プロジェクト全体の投資額は1.5%削減できるという。25年間の総発電量では、TOPConモジュールより6.5%多くなる試算だ。

もちろん、実際の効果は屋根の形状や方角、日射量、周囲の影、電気設備の構成などによって変わる。ただ、設置できる面積が限られる日本の工場や倉庫では、同じ面積からどれだけ多くの発電量を確保できるかは重要な判断材料になる。

施工面では、単板ガラス仕様による軽量化もアピールポイントになる。屋根への荷重を抑えながら、高出力モジュールを導入できれば、これまで耐荷重面で設置が難しかった建物にも提案の余地が広がる。

また、BCモジュールは部分的な影の影響を抑える設計も特徴としている。葉や鳥のふん、周辺設備の影などで一部のセルが遮られた場合でも、出力低下やホットスポットの発生を抑えることを目指している。住宅地や設備の多い工場の屋根では、こうした影への対応力もEPCにとって説明しやすい材料となる。

長期性能については、初年度の出力劣化を1%、その後の年間劣化率を0.35%としている。30年後も初期出力の88.85%を維持する設計で、一般的なTOPCon製品と比べて残存出力が1.5ポイント高いという。長期的な発電量の差は、発電事業者の収益にも少しずつ影響してくる。

耐久性の面では、セル裏面の溶接方法を工夫し、マイクロクラックの発生リスクを抑えている。単板ガラス製品はIEC61730の耐ひょう試験に合格するなど、より厳しい条件で信頼性を担保する認証にも対応を進めている。

こうした認証や長期保証は、EPCが発電事業者に製品を提案するだけでなく、金融機関や投資家が案件のリスクを判断するうえでも参考材料になる。

同社は、日本の屋根事情や気候、施工慣行に合わせて製品とサービスを調整し、長期的に事業を続ける方針を掲げている。

 

意匠・発電効率と耐久力を実現する
Gokin Solar モジュール 3つの構造

フルバックコンタクト機能
太陽電池セルの電極(プラス・マイナス)をすべてセル裏面に配置した構造。セル表面に金属配線(グリッド)がなくなるため、光を遮る部分が減り、受光面積が広がる。発電効率の向上やホットスポットの抑制につなげた。見た目もすっきりとしたオールブラックデザインを実現できることから、発電性能と意匠性を両立できる。

フルスクリーン構造
BC構造をベースに、モジュール全体を一枚の黒い面のように見せる設計。セル間の隙間を極力なくし、バスバーも見えないようにして受光面積を広げた。

地上用4-66HGBDにはデュアルガラス構造を採用
セルを前後2枚のガラスで挟む。湿気や衝撃への耐久性を高め、長期的な発電性能を維持しやすい。耐雹性に関する認証を取得。

問い合わせ

Gokin Solar Co.,Ltd.
No. 1 Hejin Avenue, Automotive Industry Base, Huadu District, Guangzhou, Guangdong Province, China.
TEL:+86 18051571727
Mail:xinxin.zhou@gokinsolar.com


取材・文/大根田康平

AAAAA JOURNAL vol.〇〇(〇〇年〇〇号)より転載

PICK UP
注目記事
太陽光関連メーカー一覧

RANKING

  1. 1
    【終了】蓄電池ビジネス最前線セミナー|激変する市場変化に合わせた事業戦略の進め方
    【終了】蓄電池ビジネス最前線セミナー|激変する市場変化に合わせた事業戦略の進め方
  2. 2
    再エネ出力制御率、2035年には北海道で37%に拡大、優先給電ルールの見直しで大幅減の見通し
    再エネ出力制御率、2035年には北海道で37%に拡大、優先給電ルールの見直しで大幅減の見通し
  3. 3
    需給調整市場の上限価格を引き下げ 懸念される再エネ拡大目標への影響
    需給調整市場の上限価格を引き下げ 懸念される再エネ拡大目標への影響
  4. 4
    低圧系統用蓄電池事業構想から開発、運用まで。再エネ事業初心者にも『伴走者』としてサポートするREPエージェント
    低圧系統用蓄電池事業構想から開発、運用まで。再エネ事業初心者にも『伴走者』としてサポートするREPエージェント
  5. 5
    欧州の猛暑は単なる異常気象なのか 記録的熱波の原因と、温暖化への意識改革|北村和也さんの再エネの達人
    欧州の猛暑は単なる異常気象なのか 記録的熱波の原因と、温暖化への意識改革|北村和也さんの再エネの達人

MAGAZINE

vol.58 / ¥0
2026年8月4日発行

PRESS