「雑草」がエネルギー源に!? 名城大が発電を実演
2018/03/15
取り組む課題と
今回の実験結果で示せたこと
持続可能イノベーション社会創成センターは、「微生物の力で産業廃棄物を資源化し、化石燃料に依存しない持続可能社会を作り出す」ことを目指している。
同センターでは、農学部、理工学部、都市情報学部、人間学部の教員が参画し、
(1)GETシステムの社会実装
(2)組み換えシアノバクテリアの光合成による二酸化炭素からのバイオエチレン生成
(3)製鉄所から排出される廃油スラッジから微生物の力でメタンを作り、鉄を回収する
という三つの課題に取り組んでおり、今回の公開実験は(1)の課題についての実験だった。
毎年大量に発生する藁や雑草の嫌気的発酵によるメタン生成をキーポイントとして、「大気中の二酸化炭素 → 稲などの草本性植物 → メタン → 二酸化炭素 → ・・・」というサイクルで太陽光エネルギーを電気エネルギーや熱エネルギーに変換する技術を確立し、企業や自治体などの協力の下、社会の様々な場面に適用可能なビジネスモデルを作りあげること。また、そのビジネスモデルを社会に定着させ、地球の温暖化を阻止し、化石燃料に依存することなく持続的に発展可能な社会の実現に貢献することを目標としているという。
今回の公開実験では、大規模な設備無しで、藁や雑草からメタンを主成分としたバイオガスを得ることができ、得られたガスは濃縮や精製することなく、そのままの形でエンジン発電機の燃料として利用可能だということを示した。
持続可能イノベーション社会創成センター代表の大場正春さんは、「乗り越えなければならない課題はたくさんありますが、基礎技術はこれで確立したと考えています。実用化のために作業効率を高め、社会に実装可能なものとすることが今後の課題と考えています」と語っている。
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