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簡易アセスの導入を合理的に進める3つの方法とは?

合理的に進めるための
3つの大きなポイント

数年前、私が東京工業大学の研究科長をしていた時、20階建てビルを増築する話があり、簡易アセスメントを行いました。
通常のアセスメントなら1億円ほどかかるのが500万円、期間は3ヶ月ほどで終えられました。この事業規模は43億円です。

簡易アセスにはポイントが3つあります。1つめは手続きの簡素化。どんな事業をするのか地元住民にきちんと情報提供し、意見にはしっかり応える「コミュニケーション」が大事です。そして、手続きをいかにシンプルにするかが重要です。

2つめは、地元住民が何を心配しているのか、きちんと確認すること。
人々の懸念事項に絞り込んで調査すれば、費用はそれほどかかりません。

sj_KAN20160323_02そして3つめは、既存データの有効活用です。日本では遅れている、災害対策などに使う「地理情報システム」(GIS)が、なぜアメリカでは発達したのか。それは、日本の1000倍以上ものアセスを行っているので、国土情報を活用するようになっているからです。

アメリカではこうしたデータの蓄積があるため、簡易アセスを中心に年間数万件のアセスが実施されています。しかし、日本は数十件しかありません。

日本のアセスは、最初から大掛かりにするから非効率。事業開始前から情報提供を十分に行い評価項目の絞り込みをしておけば、費用も期間もかからない。日本では少数のアセスを、何でも、2年も3年もかけていますが、最初に地元住民や専門家の意見をきちんと聞けば、そんなに時間はかからないはずです。

大規模事業だから問題が起きやすいというわけでもなく、感染症の実験施設など、小規模施設でも病原菌が漏れるなどのおそれがあれば、地元住民の不安は増すでしょう。

環境影響評価法で「規模が大きく環境への影響が著しいもの」と対象を限定している日本は、いまだ初歩的な段階にあるのです。
また、日本の場合、「地元住民とのコミュニケーション」という感覚が非常に弱い。ここにポイントを置いたのが簡易アセスです。 集団検診のようなもので、コミュニケーションをしっかりとり、その結果、問題が見つかれば精密検査に移るという手順が合理的なのです。

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