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経産省発表。再エネ大量導入に欠かせない3つの課題

経済産業省は7月、「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題」を公表した。コスト競争力、系統への受入れなど、3つの論点を整理する。再エネが、FIT頼みではない自立した電源として大量導入される時代が、まもなくやってくる。

この研究会は、「世界的に再生可能エネルギーの導入が拡大し、コストも大幅に低下する中、 日本において、さらなる導入拡大を図るためには、再生可能エネルギーの自立化に向けた環境整備が不可欠である」との問題意識からスタートした。これを踏まえ、今回整理された論点は、「コスト競争力の強化」「FIT制度からの自立に向けた施策」「系統への円滑な受入れのための施策」の3点。以下、それぞれの概要を記す。

コスト競争力の強化

改正FIT法に盛り込まれた中長期の価格目標の設定や入札制度等の仕組みを活用しつつ、総合的な取り組みを進めていく必要がある。また、FIT制度はコストダウンを促す方向での運用を検討することが必要。
例えば、ランニングコスト削減努力を引き出すための逓減型価格設定、導入量に応じた価格設定など。

FIT制度からの自立

将来的な見直しと、発電コスト低減のための民間投資リスクのあり方について検討していく。

①市場機能を活用
日本に先行してFIT制度を導入した欧州各国では、卸電力市場価格にプレミアムを上乗せして補填するFeed-in Premium(FIP)、再エネ事業者による卸電力市場への直接販売など、より市場機能を活用した支援策に移行する動きが見られる。中長期的なFIT制度の改正も視野に、諸外国の制度の動向や運用状況等を調査し、それぞれのメリット・デメリットや制度移行の条件など、詳細な検討を行うことが必要である。

②再エネの新たな使い方
自家消費を中心とした新たなライフスタイル・ビジネスモデルが発展。さらに、個々の家庭を超えて発電・蓄電・需要機器を束ね、電力の需給バランス調整に活用するエネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスのような新ビジネスも生まれつつある。こうした動きを推進するため、蓄電池コストの低減、再エネ需要の喚起、各種制度の見直しなど、具体的な支援に取り組む必要がある。

③立地制約のある電源の導入促進
日本では、立地地点の選定・調整については事業者が役割を担っている。欧州では、例えば洋上風力について、政府等が導入計画を明確化し環境アセスや系統接続等の立地調整を主導している。欧州の先行事例も参考にしながら、海域利用ルールの明確化、競争によるコスト低減を促す仕組みを検討する。 他の電源についても、調整コストを低減するための取り組みを進めていく必要がある。

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