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米太陽光市場を支えてきた、「投資税額控除制度」の変更で業界が激震!

アメリカの太陽光発電の普及に大きく貢献してきた投資税額控除制度。2019年を最後に、その恩恵となる控除率が引き下げられるという。日本の「FIT」同様、普及を狙いとした制度に変化が生じるアメリカでは、いったいどのような動きがあるだろうか。

業界を揺るがす大影響
控除税率の変更とは

今年に入り、「ラストチャンス!ベストディール(最高の取引)を逃さないで」という宣伝を繰り広げる太陽光発電施工業。この「ラストチャンス」とは、米国太陽光発電普及政策の1つである投資税額控除(InvestmentTaxCredit:ITC)の控除率が、2019年を境に下がることを意味する。アメリカでは、ITCは最も重要なクリーンエネルギー政策の1つとされている。米国太陽エネルギー協会(SEIA)によると、2006年の制定以来、ITCは20万人を超えるアメリカ人の雇用を創出し、1400億ドル以上の民間投資を集め、太陽光発電の導入を100倍に拡大したそうだ。

図)2019年以降下がる太陽光発電投資税額控除率。2022年以降住宅用は0%

ITCは連邦政府による税制優遇措置であり、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの設備投資に適用される。太陽光発電設備の購入者である住宅オーナー、ビジネスオーナー、さらに発電事業者が、設備導入にかかった投資額の一定割合を税金の支払いから控除できる制度だ。この優遇措置により、納税義務者は支払うべき税金を削減できるというわけだ。

2005年、ブッシュ前大統領(共和党)は「2005年エネルギー政策法」のもと、住宅用設備導入に税額控除率30%の優遇措置を新しく設け、さらに非住宅用(商業、産業、そして発電事業用)設備投資の税額控除率を10%から30%に引き上げた。その後、ブッシュ政権下でITCは2度延長された。2008年に可決された延長案で、住宅用設備については2016年末で終了し、非住宅用については2016年12月31日以降に30%から10%に戻ることになっていた。

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しかし2015年末、オバマ政権下(民主党)の米連邦議会が土壇場でさらなるITC延長法案を可決した。この可決法案でITCは5年間延長されたが、5年間同じ控除率が適応されるのではなく、控除される比率が段階的に下がるようになった。具体的には、2017年から2019年の3年間は30%、2020年には26%、そして、2021年には22%と漸減する仕組みになっている。

その後は、非住宅用に関しては2006年以降と同じ10%に戻り、住宅用に関しては税額控除の優遇措置は終わりを迎えることになる。つまり、今年2019年は2006年から続いたITCの30%の価値をフルに活用できる最後の年となるのだ。

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