編集部からのお知らせ

CO2フリーの電力を地産地消! 山形県で水力発電所由来の電力の利用強化へ

東北電力が、山形県内で再生可能エネルギーの利用を強化する。水力発電所由来の電力はCO2フリーで、企業のPRなどに活用可能だ。通常の電力料金に追加コストが発生するものの、かなり低い水準に抑えられている。

県内の水力発電所の電気
電力の地産地消でCO2削減も

7月22日に発表された、東北電力株式会社の新たな電力プランは「やまがた水力プレミアム」。山形県企業局の水力発電所で発電された電気を、県内の特別高圧・高圧の需要家に販売する。CO2排出量の削減といった需要家のニーズを満たすと同時に、再生可能エネルギーの地産地消を実現する。

再生可能エネルギーによる電気はCO2を排出しないため、環境意識の高い需要家の間でニーズが高まっている。こうした電気へ切り替えるメリットは、企業のイメージアップだけにとどまらない。「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」といった国への定期報告にも活用できる。

CO2フリープラン「やまがた水力プレミアム」では、需要家は東北電力の通常の電力契約に加えて、環境価値に相当する料金を払う。2020年度の価格は2.20円/kWhで、2020年9月から2022年3月末までの使用電力が対象だ。募集上限は2億9,800万kWh、申込期間は2020年7月22日から2021年9月30日。募集上限に達した場合には受付を終了する。

「やまがた希望創造パワー」は
対象を全需要家に拡大

同日、山形県の産業・経済の振興のための電力メニュー「やまがた希望創造パワー」の対象拡大も発表された。これは再生可能エネルギー由来の電気で、2018年4月から東北電力と山形県が共同で提供している。対象は県内の製造業で、県企業局の水力発電所で発電された電気だ。

今回、製造業に限定されていた対象が、業種問わずすべての需要家に拡大された。法人に加え個人事業主も対象となる。対象期間、募集上限、申込期間は「やまがた水力プレミアム」と同様。対象である7つの電力料金プランの電力量料金単価が、約6%割引される。申込先は山形県企業局で、東北電力ではないため注意が必要だ。

再生可能エネルギーによる電力メニューは、ほとんどの大手電力会社で取り扱いされている。再エネ電力100%での事業活動をコミットする国際イニシアチブ・RE100の参加企業が増加し、需要家の意識は高まりを見せる。再エネの主力電源化に向かって、市場を大きく動かす追い風になりそうだ。

DATA

東北電力株式会社プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【 終了】2024年4月23日(火)「第29回PVビジネスセミナー」~ 市場動向/PPA・蓄電池の最適化モデル ~...
  2. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  3. 【2024年太陽光ビジネス】再エネは「長期安定電源」になる! 事業環境の整備に必須のリパワリング...
  4. 市場運用者・広域機関に聞く、長期脱炭素電源オークションが目指すものとは?...
  5. 【受付中】5/28火 ケーブル盗難のリアルを知るための「太陽光のリスク管理」セミナー開催...
  6. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  7. 【地域共生成功モデル紹介】ゼロカーボンビレッジ創出&市民参加型の取り組み...
  8. 経産省、新電力ビジネスの経過措置「部分供給」の見直し案 オフサイトPPAへの影響は?...
  9. 太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か
  10. 東京都の2024年度系統用蓄電池導入事業 特高5件、高圧6件を採択予定
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.48 | ¥0
2024/01/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ