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岸田新総理、脱炭素を成長戦略の柱と明言。投開票迫る衆議院選の行方は?

岸田新総理は、所信表明演説でカーボンニュートラルを成長戦略の柱と位置付けた。10兆円規模の大学ファンドを立ち上げるなど、デジタルやグリーンといった分野のイノベーションを加速する考えだ。新しいビジネスを産み出すスタートアップを支援する姿勢もみせた。

カーボンニュートラルは成長戦略
10兆円大学ファンドや民間支援も

第100代内閣総理大臣に就任した岸田文雄総理が、10月8日に所信表明演説を行った。2050年のカーボンニュートラル実現については、成長戦略という文脈で言及された。菅前総理も、昨年の自身の所信表明演説で温暖化対策が成長につながると述べていた。(参考『菅首相、所信表明演説で「2050年に温室効果ガス排出ゼロ」を宣言』)

また、岸田総理は温暖化対策を成長につなげる具体策として「クリーンエネルギー戦略」を策定するとした。クリーンエネルギー戦略は、総理就任前、自民党総裁選の出馬表明の際に経済政策として挙げられていた。

デジタル、グリーン、人工知能、量子、バイオ、宇宙など先端科学技術の研究開発に向けて10兆円規模の大学ファンドを年内に設置するとした。また、民間企業の投資を促進する税制やスタートアップ(新興企業)への支援を通して、新たなビジネスや産業の創出を図るとした。

環境大臣と経済産業大臣も交代
COP26に向けた動向にも注目

環境大臣には、山口壯氏が就任した。外交官として1990年代に気候変動問題に携わった経歴をもつ。山口環境大臣は、小泉前環境大臣が示した再生可能エネルギーに最優先で取り組む原則を踏襲するとし「再生可能エネルギーの最大限導入が一番のポイント」と述べた。

10月末から英国で開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)にも山口環境大臣が参加するとみられる。

一方、経済産業大臣には菅内閣で文部科学大臣を務めた萩生田光一氏が就いた。カーボンニュートラル実現に関しては、再生可能エネルギーの最大限の導入のほか、省エネや原発の再稼働、クリーンエネルギーの投資に力を入れるとした。

10月31日には、第49回衆議院議員総選挙の投開票が予定されている。今後の脱炭素政策の行方を占う意味でも、総選挙の結果に大いに注目したい。

DATA

岸田内閣総理大臣 所信表明演説
山口環境大臣 記者会見
萩生田経済産業大臣 記者会見


文:山下幸恵(office SOTO)

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