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【2021年度からのFIT&FIP】低圧太陽光11円・10円へ。FIP移行の道筋も明らかに

固定価格買取制度(FIT)における2021年度以降の買取価格が見えてきた。例年FIT価格は経済産業省の審議会・調達価格等算定委員会の委員長案どおりとなっており、今回もこのまま確定する公算が高い。同委員会は、FITからフィード・イン・プレミアム(FIP)への移行プロセスについても方針を示している。

2021・22年度FIT価格
(調達価格等算定委員会 委員長案)

区分 1kWhあたりの調達価格 調達期間
2020年度(参考) 2021年度 2022年度
太陽光 10kW未満 21円 19円 17円 10年間
10kW以上50kW未満 13円+消費税 12円+消費税 11円+消費税 20年間
50kW以上250kW未満 12円+消費税 11円+消費税 10円+消費税 20年間
250kW以上1,000kW未満 入札制 入札制 入札制 20年間
1,000kW以上 入札制 入札制 FIP(入札)へ移行 20年間
風力
陸上風力(250kW未満) 18円+消費税 17円+消費税 16円+消費税 20年間
陸上風力(250kW以上) 18円+消費税 入札制 入札制 20年間
陸上風力(リプレース) 16円+消費税 15円+消費税 20年間
着床式洋上風力(再エネ海域利用法適用外)※1 入札制 32円+消費税 29円+消費税 20年間
浮体式洋上風力(再エネ海域利用法適用外)※1 36円+消費税 36円+消費税 36円+消費税 20年間
地熱 15,000kW未満(新設)※2 40円+消費税 40円+消費税 40円+消費税 15年間
15,000kW未満(全設備更新型)※2 30円+消費税 30円+消費税 30円+消費税 15年間
15,000kW未満(地下設備流用型)※2 19円+消費税 19円+消費税 19円+消費税 15年間
15,000kW以上(新設)※3 26円+消費税 26円+消費税 FIPへ移行 15年間
15,000kW以上(全設備更新型)※3 20円+消費税 20円+消費税 FIPへ移行 15年間
15,000kW以上(地下設備流用型)※3 12円+消費税 12円+消費税 FIPへ移行 15年間
水力 200kW未満(新設) 34円+消費税 34円+消費税 34円+消費税 20年間
200kW未満(既設導水路活用型) 25円+消費税 25円+消費税 25円+消費税 20年間
200kW以上1,000kW未満(新設) 29円+消費税 29円+消費税 29円+消費税 20年間
1,000kW未満(既設導水路活用型) 21円+消費税 21円+消費税 21円+消費税 20年間
1,000kW以上5,000kW未満(新設) 27円+消費税 27円+消費税 FIPへ移行 20年間
1,000kW以上5,000kW未満(既設導水路活用型) 15円+消費税 15円+消費税 FIPへ移行 20年間
5,000kW以上30,000kW未満(新設) 20円+消費税 20円+消費税 FIPへ移行 20年間
5,000kW以上30,000kW未満(既設導水路活用型) 12円+消費税 12円+消費税 FIPへ移行 20年間
バイオマス
一般木材等(10,000kW未満 ) 24円+消費税 24円+消費税 24円+消費税 20年間
一般木材等(10,000kW以上 )・液体燃料 入札制 入札制 FIP(入札)へ移行 20年間
未利用材(2,000kW未満) 40円+消費税 40円+消費税 40円+消費税 20年間
未利用材(2,000kW以上) 32円+消費税 32円+消費税 32円+消費税 20年間
建築資材廃棄物 13円+消費税 13円+消費税 13円+消費税 20年間
一般廃棄物その他バイオマス 17円+消費税 17円+消費税 17円+消費税 20年間
メタン発酵バイオガス 39円+消費税 39円+消費税 39円+消費税 20年間

※1:再エネ海域利用法適用案件については、供給価格上限額を定めて公募を実施。※2:2022年度以降は1,000kW未満。※3:2022年度以降は1,000kW以上。

【太陽光】
メガソーラーはFITラストイヤー
50kW以上1,000kW未満はFITとFIPを選択可能

住宅用(10kW未満)、事業用(10kW以上)ともにFIT価格は引き続き下落する。住宅用は、2021年度19円、2022年度は17円と2円ずつ下落。事業用は50kW未満が2021年度12円、2022年度11円に下がる。50kW以上250kW未満も同11円、10円と毎年1円ずつ引き下げられる。250kW以上は、入札制が継続する。

2022年度からは、1,000kW以上がFIP(入札)への移行対象となる。50kW以上1,000kW未満については、事業者がFITにするかFIPにするかを選ぶことができる。FIPを選択した場合は、250kW以上であっても入札対象から外される。また、既にFIT認定を受けている案件であっても、事業者が希望すれば、一定の条件を満たすことを条件に、FITからFIPへの移行認定を受けることができる。

2022年度における太陽光発電のFIP/FIT制度・入札制の対象

【風力】
250kW以上の陸上風力を入札対象に
洋上風力(再エネ海域利用法適用外)は入札から除外

入札対象の見直しが行われた。2021年度から250kW以上の陸上風力が入札の対象となる。一方で、2020年度に入札制に移行した着床式洋上風力発電(再エネ海域利用法適用外)は、2021年度から入札対外となり、32円というFIT価格が設定された。2022年度以降の入札対象範囲については、今後の入札の結果をふまえて必要に応じ見直すという。

250kW未満の陸上風力は2021年度17円、2022年度16円と着実に引き下げられる。浮体式洋上風力(再エネ海域利用法適用外)は、2020年度と同様36円という高値のまま据え置かれる。これまで浮体式洋上風力の導入・認定は1件しかなく、今後数年間で、新規案件形成やコスト低減が国内で急激に進むことは想定しがたいと考えられたためだ。

なお、再エネ海域利用法に基づく促進区域での洋上風力については、別途、供給価格上限額を定めたうえで公募が行われる。

FIPへの強制移行に関しては、当面の間は見送るものとされた。ただし2022年度以降、50kW以上の陸上風力を対象に、事業者の希望によってFITとFIPを選べるようにする方針だ。

2022年度における陸上風力発電のFIP/FIT制度・入札制の対象

【地熱】
FIT価格は据え置き
2022年度から1,000kW以上をすべてFIP対象に

2021年度は、どの区分も2020年度の価格のまま据え置かれる。2022年度以降は、1,000kW以上を対象に、新設・全設備更新型・地下設備流用型とも全面的にFIPに移行する。50kW以上1,000kW未満については、FITを基本とするが、希望によりFIP認定を受けることもできる。既にFIT認定を受けている案件に関しても、FIPへの移行認定を受けることが認められる。

2022年度における地熱発電のFIP/FIT制度・入札制の対象

【中小水力】
FIT価格は据え置き
1,000kW以上30,000kW未満はFIPに移行

どの区分も、2021年度はこれまでのFIT価格が継続する。1,000未満については、2023年度まで同じ価格であることが示された。1,000kW以上については、新設・既設導水路活用型ともにFIPに移行する。なお、FIP制度の運用状況を見極めながら、FIP制度の新規認定/移行認定を認める範囲の拡大を検討することになる。

2022年度における中小水力発電のFIP/FIT制度・入札制の対象

【バイオマス】
FIT価格は据え置き
10,000kW以上の一般木材はFIPへ

一般木材等・未利用材・建設資材廃棄物・一般廃棄物その他バイオマス・メタン発酵バイオガスとともに、FIT価格の変更はない。2022年度からのFIPへの移行については、2018年度から入札が導入されている一般木材等(10,000kW以上)と液体燃料(50kW以上)がその対象となる。FIPになっても、入札は引き続き実施される。

2022年度におけるバイオマス発電のFIP/FIT制度・入札制の対象

FIP制度とは

FIPはフィード・イン・プレミアムの略称。売電に際して、市場価格にプレミアム(補助額)を上乗せする制度だ。これまでのFIT(フィード・イン・タリフ/固定価格買取制度)は、発電事業者が発電した電気を、電力会社に固定価格/kWhで買い取らせることで、再生可能エネルギーの導入促進を図ろうとするものだった。

一方、FIPは発電事業者が自ら電力市場で電気を売ることを原則とする。市場価格に関わらず一定の利益が見込めたFITに対して、FIPにおいて市場価格を意識した事業運営が求められる。プレミアムの額を徐々に減らしていき、最終的には、公的補助に頼らなくてもやっていける電源にすることを目指す。

●日本版FIP制度のイメージ

価格(円/kWh)


赤点線:基準価格(FIP価格) 予め決定した売電収入の基準となる価格(固定)
紫線:参照価格 プレミアムを算定するために指標とする価格。一定期間の平均市場価格(一定期間内は固定。長期的には変動)
紫塗りつぶし:プレミアム FIP制度において発電事業者が受領するプレミアム収入(基準価格と参照価格の差。一定期間内は固定。長期的には変動)

※基準価格が参照価格を下回った場合、プレミアムは付与されないが、更にネガティブ・プレミアムとするかは要検討。


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.36(2021年冬号)より転載

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