太陽光発電

日射量予測が進化。太陽光発電が安定電源に!?

太陽光発電の導入拡大を向けて、日本気象協会の日射量予測サービス「SOLASAT 8-Nowcast」が好評を博している。気象衛星「ひまわり8号」を駆使したもので、今年3月より一般提供が開始された。太陽光の発電量予測にも直結する、注目の新サービスだ。

気象衛星データを駆使した
日射量予測サービスに期待

これまでの日射量予測サービスでは、予測間隔(配信間隔)が30分だったのに対し、新サービスでは5分間隔という短さを実現した。1kmだった空間解像度も0.5kmという緻密さになり、より高精度な日射量予測が可能となった。

日射量予測は、太陽光発電システムの発電量予測の基となる。そして発電量予測は、太陽光発電における最重要課題の1つ。発電量予測のベースとなる日射量予測の高精度化は、太陽光発電の導入拡大にとって大きな意味をもっているのだ。

太陽光発電システムは、日射量によって発電量が大きく変動する。この不安定性こそ、太陽光発電導入拡大のネックとされてきた。電力系統に太陽光発電が大量導入されると、電力系統自体の安定性が損なわれ、電力の安定供給にも支障が生じるというロジックだ。

しかし、あらかじめ発電量が分かっていれば、それはもう不安定電源ではない。発電量の変動を見越して、蓄電システムを効率的に運用できるので、出力調整もしやすくなる。発電量予想に合わせて需要家側に節電を呼びかけ、需給バランスの最適化を図るということも可能になる。

<「SOLASAT 8-Nowcast」による日射量分布の例>

 

電力系統の需給調整や
電力市場取引の基本情報に

日本気象協会の「SOLASAT 8-Nowcast」は、気象衛星「ひまわり8号」の詳細な観測データをもとに雲の動きを解析し、3時間半先までの日射量を5分間隔で予測、オンラインで配信する。同協会では、これまでも「ひまわり7号」の観測データを活用した気象予測サービス「SOLASAT-Nowcast」を行ってきたが、予測時間の間隔は30分というものだった。

30分ごとから、5分ごとへと、頻度が大幅にアップした意義は大きい。このことにより、太陽光発電が連系された電力系統における直近数時間の需給調整や、1時間前市場(※)における電力取引の基本情報として活用することも可能となった。同協会では、「本サービスの提供を通して、気象状況によって変動する太陽光発電出力の実効的な運用や電力の安定供給に貢献していきたい」と話している。

「SOLASAT 8-Nowcast」の特長は、以下の通り。
●3時間半先までの5分間隔の日射量予測値を、地点・電力エリア単位で把握することが可能。
●日射量予測データの配信間隔がこれまでの30分から5分に短縮。
●気象衛星の観測時刻から提供までの時間がこれまでの40分から30分程度に短縮。
●オンライン配信で日射量予測データを提供。

※1時間前市場:日本卸電力取引所(JEPX)において2016年度よりスタートした時間前取引市場。需給状況の変化をぎりぎりまで反映させることができる。

<「SOLASAT-Nowcast」(上)と「SOLASAT 8-Nowcast(下)における日射量時系列の例>

 


取材・文/廣町公則

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