編集部からのお知らせ

VPP(仮想発電所) Cityだ…と…?欧州NO.1企業の戦略

最先端プロジェクトがアメリカで誕生

sonnen社は、現地法人を立ち上げたアメリカアリゾナ州で、革新的な取り組みを始めた。現地の住宅メーカーと組み、3000戸の新築住宅で作る新しい町に丸ごと屋根上の太陽光パネルと蓄電池のセットを導入して電力の融通を行う。sonnenCommunityの拡張版としてのsonnenCityと呼ぶ。
ジャスパーというニュータウンでの壮大な実験は、合計の容量23MWh、出力11.6MWの蓄電池を使うことになる。すべての家はネットワーク化され、原則として再エネだけで電力を賄う仕組みを作り上げた。
天候が悪い日が続けば、系統から電力を調達することもできる。

市場取引への参入モデルはいつ実現するか

老舗といわれるNEXT KRAFT WERKEやシュタットヴェルケを支援するビジネスを手掛ける企業は、風力発電などの大型発電施設などを繋いだVPPビジネスを既に行っている。電力需給調整や
いわゆるしわ取りサービスまでビジネス化されている。VPP関連の各社が目標にするのは、ネットワーク化した蓄電池を使った電力市場取引ビジネスであろう。市場で安く仕入れた電力を充電し、価格が高い時期に利用するモデルである。蓄電池の価格との兼ね合いを見ながら、ネクストターゲットとなっている。
このように、発電、市場、蓄電池のバリエーションで、VPPを始めとした柔軟性に対応するための様々なビジネスモデルがドイツなどで進んでいる。再エネの変動性は困ったことだからと後ろ向きの発想しかないと、日本はあっという間に世界の潮流から乗り遅れてしまうことになる。

今さら聞けない! 仮想発電所(VPP)とは?

プロフィール

北村和也

エネルギージャーナリスト。日本再生可能エネルギー総合研究所(JRRI)代表。エネルギーの存在意義/平等性/平和性という3つのエネルギー理念に基づき、再エネ技術、制度やデータなど最新情報の収集や評価などを行う。
日本再生可能エネルギー総合研究所公式HP

 

『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載

< 12

関連記事

2017/11/01 | 編集部からのお知らせ

今さら聞けない! 仮想発電所(VPP)とは?

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【 終了】2024年4月23日(火)「第29回PVビジネスセミナー」~ 市場動向/PPA・蓄電池の最適化モデル ~...
  2. 太陽光発電所 銅線ケーブルの盗難被害が相次ぐ 銅の価格上昇が背景に
  3. 【受付中】5/28火 ケーブル盗難のリアルを知るための「太陽光のリスク管理」セミナー開催...
  4. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  5. 市場運用者・広域機関に聞く、長期脱炭素電源オークションが目指すものとは?...
  6. 東京都の2024年度系統用蓄電池導入事業 特高5件、高圧6件を採択予定
  7. 【2024年太陽光ビジネス】再エネは「長期安定電源」になる! 事業環境の整備に必須のリパワリング...
  8. 経産省、新電力ビジネスの経過措置「部分供給」の見直し案 オフサイトPPAへの影響は?...
  9. 太陽光発電所の盗難被害が急増 外国人グループの犯行か
  10. 【地域共生成功モデル紹介】ゼロカーボンビレッジ創出&市民参加型の取り組み...
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.48 | ¥0
2024/01/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ