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『第5次環境基本計画』にソーラーシェアリングの推進が明記!

太陽光発電によってクリーンなエネルギーを創出するのはもちろん、耕作放棄地の再生や、地域の復興にも関与できるとして注目のソーラーシェアリング。普及を後押しするのは農林水産省だけでなく、環境省もまた大きな期待を寄せている。

持続可能な地域づくりのため
営農型太陽光発電を推進

環境省も、ソーラーシェアリング推進の姿勢を打ち出している。6年ぶりに改訂された『環境基本計画』にも、「営農型太陽光発電の推進」が明記された。『環境基本計画』とは、環境保全に関する総合的かつ長期的な施策を定めた国の基本計画で、『エネルギー基本計画』の環境版といって良い。

今回の『環境基本計画』では、持続可能な循環共生型の社会「環境・生命文明社会」の実現を掲げ、6つの重点戦略を設けている。その1つに「地域資源を活用した持続可能な地域づくり」があり、さらに具体的施策として「営農型太陽光発電の推進」が盛り込まれているのだ。

同基本計画においては、ソーラーシェアリングを「地域の再生可能エネルギーを活用した自立・分散型エネルギー」として評価。その導入に関しては、「地域のエネルギー収支を改善するとともに、地域の文化と結び付いて地域固有の風土を形成し、高付加価値な観光商品や農林水産物等の地域産品の提供に寄与することなども期待される」と説かれている。

ポストFITへ!
地域内消費モデルに補助金

環境省では、農林水産省との連携事業としてソーラーシェアリングに関する補助金も設けている。「再生可能エネルギーシェアリングモデルシステム構築事業」という2018年度からの新規事業で、対象者は自治体、自治体と連携した民間事業者、農業者(農業法人を含む)等。補助内容は次の2つ。

(1)再エネシェアリングモデルシステムの事業化計画策定(定額補助:上限1000万円)
営農を前提とした、農地等における再エネ発電設備の導入および農林漁業関連施設・地方公共団体等の周辺施設への供給に向けた計画策定(再エネシェアリングモデル)費用を補助。

(2)再エネシェアリングモデルシステムの導入(2分の1補助)
太陽光発電、蓄電池、自営線等の設備導入費用に対する補助。

再生可能エネルギーシェアリングモデルシステム構築事業の狙い

環境省資料より

いずれもFITとの併用は不可とされており、地産地消による地域内への効果還元が目指されている。創出されたエネルギーを周辺の農林業施設等で活用することで、農業分野におけるエネルギー起源CO2排出量の削減を促していく考えだ。

ソーラーシェアリングに関しても、今後はFITに依存しない地域内消費モデルの確立が大きなテーマになっていく。

※『第5次環境基本計画』における6つの重点戦略:①持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築、②国土のストックとしての価値の向上、③地域資源を活用した持続可能な地域づくり、④健康で心豊かな暮らしの実現、⑤持続可能性を支える技術の開発・普及、⑥国際貢献による我が国のリーダーシップの発揮と戦略的パートナーシップの構築


取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.26(2018年夏号)より転載

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