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太陽光発電

2021年度の出力制御はいかに? 九電が運用見直し、北海道でも実施目前か

2021年度に入り、出力制御に関する動きがあわただしくなってきた。九州電力送配電株式会社は「30日ルール」と「指定ルール」の対象事業者の運用方法を大きく見直した。一方、北海道電力ネットワーク株式会社は、いよいよ出力制御の実施が秒読みの段階だ。

「指定ルール」対象事業者に
一律の出力上限%を設定へ

九州電力送配電株式会社は、2021年度から出力制御の運用方法を見直す。現行の運用方法なら、2021年度の九州本土の再エネの出力制御は95回にのぼる見通しだ。オフライン制御の事業者に対する制御回数は年間45日と見込まれ、年間30日を上限とする「30日ルール」を逸脱する可能性がある。そのため、経済産業省が運用方法の変更を決めた。

見直し後の運用方法では、年間30日の枠を最大限に活用しながら、「指定ルール」の事業者に対しては、発電出力の上限の割合を一律に定める。「指定ルール」とは、指定電気事業者制度によって無補償の出力制御の上限をなくしたものだ。

これまではすべての事業者を対象として順番に制御を行っていたが、今回の見直しで30日ルールと指定ルールの事業者の運用が明確に分かれた。

(出典;九州電力送配電株式会社)

ほくでんも出力制御の備え着々と
平年通りならこのGWは実施せず

一方、北海道電力ネットワーク株式会社は出力制御の実施可能性を視野に入れ、ホームページに出力制御の見通しを掲載するとともに、問い合わせに対応する専用ダイヤルを開設した。出力制御の見通しは、ホームページの「北海道エリアのでんき予報」に実施3日前から掲載される。

北海道エリアでは、再エネの連系量が459万kWに達し、平均需要の350万kWを大きく超えている。2021年のゴールデンウィークについては、例年並みの電力需要や太陽光の発電量であれば出力制御は行わないとしており、本誌が取材したところ、実際に実施はなかった。

DATA

九州電力送配電株式会社:2021年度より出力制御の運用方法を見直します
北海道電力ネットワーク株式会社:北海道エリアにおける再生可能エネルギーの導入拡大に伴う対応について


文:山下幸恵(office SOTO)

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