2030年度には電力小売事業の「PPA」が市場規模400倍に
2018/07/23
富士経済が7月12日にまとめた調査結果によると、国内の太陽電池市場は頭打ちだという。一方、電力小売事業であるPPAモデルはまだ立ち上がったばかりで、2018年度には2017年度の6倍の12億円、2030年度には400倍超の823億円になると予想している。
国内の太陽電池市場は頭打ちも
PPAとO&Mは成長すると予測
7月12日、富士経済が国内外の太陽電池市場の調査結果を発表した。国内の太陽電池市場は、2018年度は7,800MW、以降も6,000~7,000MWで推移するとし、頭打ちと予想。金額ベースでは2018年度は5,460億円、2030年度には3,840億円とゆるやかに下降していくとの見方を示した。
その一方で、注目ビジネスとして、太陽光発電設備を用いた電力小売事業である「PPA(Power Purchase Agreement)」を挙げた。2018年度の市場規模は、2017年度の6倍にあたる12億円と予想。さらに2030年度には、400倍以上の823億円規模にまで伸びるという。
建物の所有者が太陽光発電設備を導入する場合には、その所有者自身が設備費用を負担するのが一般的だ。だがPPAモデルでは、PPA事業者が第三者から資金を調達して、建物の屋根に太陽光発電設備を設置。一定の契約期間終了後、もしくは買電が一定の金額に達したのち、太陽光発電設備は建物の所有者に無償で譲渡される。
このPPAモデルは、FIT制度のないアメリカで普及したビジネスモデル。そのためFIT制度に左右されにくいと考えられており、今後は日本国内でも拡大していくことが期待される。
またもう1つ、O&M(Operation & Maintenance)サービスにも注目。2018年度の市場規模は、2017年度比で118.1%の567億円、2030年度には同年度比2.6倍の1,225億円に成長すると予測。その根拠として、これまでは発電事業での需要が大きかったが、今後は高圧ミドルや低圧ミドルでの需要が増えるという。
さらに、改正FIT法に太陽光発電所の適切な運用・保守を求める項目が盛り込まれたことも、市場拡大につながるとしている。