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【続報】第2回「電気保安ワーキングG」点数制と外部承認の見直し検討

10月16日、経済産業省は第2回目「電気保安人材・技術ワーキンググループ」を開催した。議題は、持続的な電気保安体制の構築と災害時における電気保安人材をめぐる対応だ。増大する自然災害に対し、電気保安に突きつけられた課題は多い。

AIによる保安のスマート化
点数制の見直しも進むか

議題のひとつである持続的な電気保安体制の構築に関しては、スマート保安技術の導入による保安業務の効率化や、外部承認制度の見直しについて検討された。

現在、AIやドローンを活用したスマート保安技術の導入によって、毎月1回以上とされている点検を隔月1回に緩和することが規定化されている。こうしたスマート保安の取り組みによって、人的コストを軽減すると同時に、電気主任技術者1人あたりが行う保安業務を増やすことができる。

現在の電気保安業務は、担当する電気工作物やその点検頻度に基づき、1人あたり合計33点まで従事可能とする点数制だ。点数は、発電量・出力に応じて個別に設定される「換算係数」に、点検頻度を考慮した「圧縮係数」を乗じて算出される。

例えば、500kVAの需要設備で毎月点検が必要であれば1点、1,000kVAの需要設備でも3カ月に1回の点検であれば、0.45の圧縮係数がかかり1点と算出される。なお、現行の上限33点は1999年の改正時以来見直しがなされていない。


実務経験は軽減の方向へ
外部承認は委託者への管理も

外部承認制度とは、オーナーなどの設備設置者が、社外の電気主任技術者等に電気保安業務を委託する仕組みだ。外部承認にあたっては保安上問題がないと経済産業大臣の承認を得る必要がある。この承認を得るためには、免状の種類によって3年から5年の実務経験が求められる。

今回のワーキンググループでは、この実務経験年数についても「軽減の余地がある」とされた。保安管理業務に必要な能力を明確化し、その習得のための研修制度などを準備すれば、保安水準を保ったまま実務経験年数を軽減できるという意見が挙げられた。

一方で、近年の電気保安に関する事故の大半は外部承認制度による案件であり、その約半数が太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備だ。電気保安の責任は設置者である事業者が負うものだが、技術的な知識が十分でない再エネ事業者などは、保安業務を外部委託に一任するケースが多い。事故などの問題が起こった場合、今後は受託者である電気主任技術者側に国が直接指導できるような制度が必要ではないかとの提案もなされた。

また、台風などの災害時においては各地域の電気保安協会と送配電事業者との連絡体制の強化や、倒木などによって山中のメガソーラー発電所に到達できないなどの問題が提示され、今後検討が進められる。


DATA

電気保安人材・技術ワーキンググループ


文/山下幸恵

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