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加速化する脱炭素への流れを読む 第22回PVビジネスセミナーをレポート!

ソーラージャーナルは5月27日、22回目となるPVビジネスセミナーを開催した。緊迫する国際情勢と市場環境の変化を受けて、いつにも増して密度の濃いセミナーとなった。

EPCと発電事業者に向けて、
産官学の有識者9人が講演

今回は「加速化する脱炭素への流れを読む」をテーマに、産官学あわせて9人の有識者が登壇。リアル会場とオンライン配信によるハイブリッド形式により、EPCと発電事業者を中心とする約300人の参加者と交流を図った。リアル会場となった東京・恵比寿のイベントスペースでは、セミナー後に懇親会も催行。和やかな雰囲気のなか、登壇者に熱心に問いかける参加者の姿も多く見られた。

セミナーでは、まず再エネ電力の新しい取引形態として注目を集める「P2P電力取引」について、デジタルグリッドとUPDATER(みんな電力)がレクチャー。FIP制度スタートにより、ますます注目度の高まる「アグリゲーションビジネス」について、東京電力エナジーパートナーが解説した。また、動き始めた「再エネ価値取引市場」の現状について、経済産業省 資源エネルギー庁が説明した。

さらに、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が懸念される太陽電池サプライチェーンに関して、資源総合システムがその動向を分析。メーカーからは、太陽光パネルの今後についてライセンエネルギーが、パワーコンディショナについてGoodWe Japanが展望を述べた。蓄電池を含む最新機器を、これからの脱炭素ソリューションとしてファーウェイが紹介。太陽光発電業界における業務効率化・経営DX推進のための提案をアンドパッドが行った。

「デジタルグリッドプラットフォームによるP2P電力取引」
デジタルグリッド株式会社 代表取締役社長 豊田祐介氏

──P2Pなら、調達している電力の電源保有者との直接取引のため発電源が明確。新設の発電所にファイナンスが付きやすく、既設発電所の与信リスクを回避できる。需要家にとっては、自社電源の有効活用が可能となる。

「ブロックチェーンを活用した電力取引の未来〜電力脱炭素推進のカギとなるP2P取引プラットフォーム〜」
株式会社UPDATER(みんな電力) 専務取締役 事業本部長 三宅成也氏

──P2Pは、ユーザーが生産者に対価を直接支払う仕組み。ブロックチェーントークンによる電力トラッキングにより、バランシンググループ内の発電所と需要家を希望優先順位でマッチングさせることができる。

「電力市場におけるVPP・アグリゲーション事業の位置づけと東電EPの取組状況」
東京電力エナジーパートナー株式会社 販売本部法人営業部スマートコミュニティ開発グループ課長 長尾泰司氏

──FIP制度のもとでは、発電事業者を束ねて、再エネ発電を最適運用する「再エネアグリゲーター」の存在が欠かせないものとなる。実証事業で蓄えた技術ノウハウを活かして、再エネ発電事業者向けの様々なサービスを提供していく。

「再エネ価値取引市場について」
経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 電力基盤整備課 係長 梨本紫乃氏

──RE100等の再エネ電力への需要家ニーズの高まりに対応するため、需要家の直接購入を可能とし、価格を引き下げることで、グローバルに通用する形で取り引きできる再エネ価値取引市場を創設。2021年11月から動き始めている。

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