「FIT制度」の次のステップ「FIP制度」って?

再エネの過去、現在、そして未来をエネルギージャーナリスト・北村和也氏が読み解く人気コラム。今回は「ドイツのFIT制度終了の背景」に迫る。

ドイツの再エネ制度に
起きている大きな変化

最近伝えられるニュースで最もショッキングに聞こえるのが、ドイツがFIT制度をやめるというものである。一部の日本のマスコミには「ドイツのFIT制度が失敗した」からだと伝えたい向きもあるだろうが、まったくそうではない。FIT制度からの卒業というのが一番適切な表現であろう。

内容は、固定価格で買い取るFITから市場価格と連動させるFIP(フィード・イン・プレミアム)への移行である。国会で承認された新しい制度には大資本優先など大きな問題があると私も考えるが、FITからの卒業はやはり自然な流れである。すでにドイツでは野立てのメガソーラーのFITの買い取りはなく、風力発電もおよそ8割がFITではなく市場で直接取引されていて、実態としてもFITは終焉に向かっている。


グリッドパリティ達成が
もたらす家庭の電力使用の変化

それでは今回のテーマである住宅用PVに、今何が起きているのだ
ろうか。キーワードは「グリッドパリティ」である。現在の屋根置き太陽光の買取価格がおよそ14円であるのに対して、家庭用の電力料金は33円と倍以上となっている。

FITで売るより自分で使った方がよっぽどお得なわけで、いわゆるグリッドパリティを十分に達成している。その結果、当然のように電力の自家消費が増えている。最新のBDEW(連邦エネルギー水道連合会)の資料では、昨年で太陽光発電の9・2%がすでに自家消費されている(自家消費でもプレミアムが付いていた制度のためもある)。今後は飛躍的に伸びて、4年後には純粋な自家消費が現在の倍になると予測されている。

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