日本も支援!再エネ大国コスタリカで地熱発電所開発
2017/01/31
自然エネルギー率ほぼ100%を達成しているコスタリカでは地熱発電所の開発に力を注ぐ。その理由は天候に左右されることなく安定的に発電が出来るからだ。
2016年は252日間
自然エネルギーだけで発電
コスタリカ電力公社(ICE)が2016年は252日間、自然エネルギーで電力供給していたと発表した。自然エネルギー由来の発電率は98.12%で、わずか1.88%だけが化石燃料による発電だった。主な初電源は水力発電で、その割合は74.35%となっているが、約2%弱を火力発電に頼らなければならなかった理由は、去年の一時期に降雨量が少なかったためとしている。このようにほとんど自然エネルギー100%を達成しているコスタリカにおいて、火力発電は降雨量が少ない時のために利用するバックアップ電源としての役割を担っている。
コスタリカ初の地熱発電所
開発には日本の支援も
完全に100%自然エネルギーを実現するために、コスタリカ電力公社(ICE)が注力しているのが現在発電量の12.74%を占めるようになっている地熱発電だ。意外に思われるかもしれないが、コスタリカ初の地熱発電所であるミラバジェス地熱発電所の開発は、日本政府も支援している(1985年12月借款契約調印1994年3月完成)。
地熱発電を、年中安定的に電力供給が出来る重要なベースロード電源として位置づけるコスタリカは、グアナカステ州で「ラス・パイラスII」(55MW)、「ボリンケンI」(55MW)、そして「ボリンケンII」(55MW)の建設を進めている。これらにも日本政府は、コスタリカ政府およびコスタリカ電力公社(ICE)との間で、最大約561億円の円借款に署名している。
これらの地熱発電所が完成すれば、自然エネルギー100%達成へとさらに近づくことだろう。日本もコスタリカ同様火山国であり、火山の数は世界第3位だ。しかし現在、コスタリカを含む26カ国で地熱発電が行われているが、日本は地熱発電設備容量で第9位に甘んじている(2015年現在、日本地熱協会HPより)。地熱発電用タービンの7割は日本製で、地熱開発分野で世界をリードして来た日本。十分な地熱発電ポテンシャルがある日本国内の今後の地熱開発を大いに期待したい。