エネルギーの未来を拓くカギは『柔軟性』にあり

欧州の地域エネルギー事情を視察し、再エネのさらなる導入に必要なものとして『柔軟性』が強く挙げられていた。『柔軟性』とはなんなのか。エネルギージャーナリスト・北村和也氏に伺った。

欧州視察でみた
再エネ大量導入のカギ

5月末にドイツとデンマーク、6月下旬にドイツと2回にわたって欧州の地域エネルギー事情について現地を見てきた。結論から言おう。

エネルギーの今後を決めるのは、『柔軟性』である。再エネ=電力の主役、は既定路線となっているが、さらに再エネを導入していくために必要なものとして『柔軟性』が強く挙げられていた。

前提となる再エネは風力や太陽光発電を総称するVRE(Variable Renewable Energy:可変的再エネ)である。しかし、VREはお天気まかせの困ったエネルギーだから『柔軟性』が必要ということではない。VREは、原料代のいらない限界費用ゼロのエネルギーで将来非常に安いコストで電気を供給できるため、出来るだけ多くのVREを導入するため『柔軟性』が求められている。既に電力の3分の1を再エネで賄い、2050年に80%を目指すドイツでは目の前の課題である。

柔軟性とは

では、柔軟性とは何だろう。
難しく考えることはない。天候に影響される太陽光や風力発電の発電量の増減をうまく需要に合わせるテクニックだと考えればよい。
思いつくのがリチウムイオンなどの蓄電池であろう。使い切れずに余った電気を貯めて、足らない時に使うことができる。蓄電技術は、貯める電力(エネルギー)量と貯蔵時間によって種類が分かれる。比較的小型の蓄電池から大型の揚水発電や技術開発が進む水素によるエネルギー貯蔵まで様々だが、決め手は簡単でコストである。
導入コストが利用価値を上回ってしまえば導入する意味はない。今回寄ったインターソーラーでは、展示の半分近くが太陽光と蓄電池の組み合わせであった。しかし、蓄電池の価格が充分下がっておらず、家庭での本格的普及はこれからと考えられている。

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